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コラム 6か月前

イタリア代表、本当に大丈夫か?監督人事を巡る狂騒劇、“狂犬”ガットゥーゾはこうしてアッズーリの指揮官に就任した【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

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 イタリア代表に激震が走った。FIFAワールドカップ(W杯)欧州予選のノルウェー戦を0-3で落とすと、ルチアーノ・スパレッティ監督が解任。後任には、“狂犬”ジェンナーロ・ガットゥーゾが迎えられた。クラウディオ・ラニエリやジョゼ・モウリーニョという名将の名も挙がる中、なぜ実績の乏しいガットゥーゾが選ばれたのか。その背景に迫る。(文:佐藤徳和)

W杯出場に暗雲…。揺れるイタリア代表

元イタリア代表監督のルチアーノ・スパレッティ
【写真:Getty Images】

 イタリア代表がカオスに陥っている。6月6日に開催されたFIFAワールドカップ(W杯)欧州予選グループI、0-3と完敗を喫したノルウェー戦後、ルチアーノ・スパレッティ監督が解任され、新監督にはジェンナーロ・ガットゥーゾが任命された。

 ノルウェー戦では、イタリアが62%ものポゼッションで相手を上回ったものの、枠内シュートはわずか1本に終わった。3失点はすべてカウンターから。かつてイタリアが得意としていたような形でゴールを奪われる展開だった。

 スパレッティにはもはや求心力がなく、ピッチに立つ選手たちの表情からも覇気は感じられなかった。W杯予選の初戦を終えたばかりにもかかわらず、グループトップでの突破が極めて困難となり、3大会連続での本大会欠場もあり得ない話ではない。

 惨敗から2日後、イタリアに激震が走る。スパレッティ監督は記者会見の席で、自身が同国サッカー連盟(FIGC)のガブリエーレ・グラヴィーナ会長から解任を告げられたことを明かした。その翌日にはモルドバ戦を控えていたが、その一戦に限りスパレッティが引き続き指揮を執るという異例の事態に至った。

 解任された監督がW杯予選という重要な試合で采配を振るうなど、前代未聞。まさに異常事態だった。イタリアの通信社『ANSA』の女性記者から「裏切られたと感じていますか?」いう質問が及ぶと、スパレッティは当惑しながら、グラヴィーナら6人の名を挙げて、「感謝している」と述べた直後、言葉を詰まらせ、席を立ち去った。会見に同席した人物は広報の担当者一人。記者団から拍手で送られたが、あまりにも孤独な会見だった。

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