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コラム 3か月前

「オファーはある」ベラルディはなぜサッスオーロに残るのか。幼少期の縁に移籍未遂…。“最後のバンディエラ”の真実【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

 15年に渡り「自分の家」と表現するサッスオーロでプレーを続けるドメニコ・ベラルディが、新たにクラブとの契約を延長した。何度も移籍話が浮上したにもかかわらず、なぜ彼はクラブに残り続けたのか。見えない絆で結ばれるベラルディとサッスオーロの不思議な縁を、本人の言葉、そして歩みを支えてきた人々の証言などから真実に迫る。(文:佐藤徳和)

最後のバンディエラが新契約を締結

サッスオーロのドメニコ・ベラルディ
【写真:Getty Images】

 セリエAの『L’ultima bandiera(最後のバンディエラ)』、サッスオーロのドメニコ・ベラルディが、2029年6月30日までの新契約を締結した。2010年に加入して以来、常にサッスオーロ一筋でプレーしてきた。

 公式戦401試合の出場で148ゴールと11アシストを記録。出場回数は、今季からミランでアシスタントコーチを務めるフランチェスコ・マニャネッリの520試合に次ぐ記録であり、得点はクラブ歴代のレコードだ。

 8月1日に31歳の誕生日を迎えていたベラルディは、契約更新の席で左手にペンを携えながら、笑みを浮かべて喜びを示した。

「サッスオーロは自分の家だ。このクラブの一員であるということは、家族の一員であるということ。ネロヴェルデ(黒と緑)のユニフォームは、私の物語、キャリア、情熱を表している。サッスオーロでは、人として、そしてサッカー選手としても成長することができた。

 このクラブとともに、これからもかけがえのない感動を味わい続けられることを幸せに、誇りに思う。(オーナーの)スクインツィ・ファミリー、クラブ首脳陣、すべての関係者、スタッフ、チームメイト、そして常に支えてくれたサポーターに感謝している。我々には、まだ一緒に過ごす時間がたくさん残っている」
 
 23/24シーズンは悪夢に苛まれるような1年だった。2024年3月3日、前十字靱帯のケガから1カ月半ぶりに復帰した第27節のエラス・ヴェローナ戦で右足アキレス腱の完全断裂という重傷を負い、シーズンを終えることとなった。

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