バルセロナの下部組織『ラ・マシア』は世界最高峰の育成機関だ。世界中から優秀な若手選手が集結しており、リオネル・メッシやアンドレス・イニエスタといったワールドクラスの天才を多数輩出している。彼らの中には、そのままトップチームに昇格して主力になった選手もいれば、道半ばでクラブを離れ、他のチームで飛躍を遂げた選手もいる。今回は、様々な理由でバルセロナを離れ、ほかのクラブで一流になった選手を紹介する。[1/5ページ]
※スタッツはデータサイト『Transfermarkt』を参照。情報は9月3日時点。
MF:久保建英(日本代表)
生年月日:2001年6月4日(24歳)
現所属クラブ:レアル・ソシエダ(スペイン)
昨季リーグ戦成績:36試合5ゴール0アシスト
真偽の怪しい噂もあったが、今夏も久保建英の去就は大きな話題となった。現在プレーするスペインだけでなく、イングランドやイタリア方面からの関心が報道されたものの、結局移籍は実現しなかった。
そんな久保は、幼い頃から日本サッカーの未来を担う逸材として注目を集めてきた。言わずもがな、バルセロナの下部組織の入団テストに日本人で初めて合格した人物として有名だ。
現所属のレアル・ソシエダで大きく評価を高めているため、ブラウ・グラナ(青色とえんじ色)の影は薄くなりつつあるが、かつてはバルセロナの一員だった。
2011年からラ・マシア(バルセロナの育成組織)で技術を磨き、ここで順調に成長していた久保だったが、2014年に状況が暗転する。
18歳未満の外国人選手獲得・登録規定に違反したことにより、バルセロナがFIFAから制裁処分を受けたことで、久保は18歳になる2019年6月まで同クラブで公式戦に出場できない状態となってしまった。
10代というサッカー選手として大成するためには重要な時期に公式戦のピッチに立てなくなることは、成長著しい久保にとって致命的。そのため、2015年3月に日本に帰国する決断をし、FC東京でプレーすることになった。
クラブ側の失態によって不運な形でバルセロナを去ることになってしまった同選手だが、その後のキャリアは多くのサッカーファンが周知のとおりだ。
2019年にレアル・マドリードへ移籍すると、期限付き移籍という名の武者修行でスペインのクラブを渡り歩いた。その後、完全移籍で加入した現所属のレアル・ソシエダでブレイク。
チームの攻撃に変化を加えるキープレイヤーとして、ここまで公式戦140試合に出場し、24ゴール18アシストを記録している。
