なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)のニルス・ニールセン監督は9月8日、日本サッカー協会(JFA)が認定するProライセンスコーチ養成講習会の講師として参加し、受講者の前でチーム作りとリーダーシップについて講義した。講習会後に取材に応じたニールセン監督は、7月の東アジアE-1選手権から現在までの時間を振り返った。
ニルス・ニールセン監督が今後の「第2段階」で取り組みたいこと
【写真:編集部】
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ニールセン監督は去年12月に就任してからアメリカ、ブラジル、スペイン遠征を経験し、東アジアE-1選手権では国内組を中心に新たな選手を試した。就任から現在までの期間を「第1段階」と表現し、これからを「第2段階」と位置付けていた。
「この1ヶ月ぐらいの間で今までの1月から7月までの評価を下していた。50名くらいの選手は実際に呼んで見れた。これから第2段階に入っていくけれども、アジアカップに向けてより選手を絞り込んで取り組んでいくことと、今まではどういったゲームプランで戦うものかというプランAをやってきたが、今後はプランBに取り組んでいく」と振り返り、プランBについて具体的に言及した。
「どういうふうに試合を終わらせるとか、勝ってる状況とか追いつかなきゃいけないとか、そういったところでどういうふうにプレーするか、そういうところを取り組んでいきたいなと思います。トレーニングで今までどちらかというと話すだけになってしまったので、実際にトレーニングで落とし込むところをやっていきたいと思います」と方向性を明かした。
そして、現段階で欠けている要素としては、「時にはずる賢くプレーすることが結果を求めていく上では重要になってくると思います。もう1つ要素をあげるとしたらトレーニング中でも試合でも常にワールドチャンピオンになるには何が必要か、非常に強い決意が必要かなというふうに思ってます。そういった非常に強い気持ちがないと最善を尽くしたけどチャンピオンには届かなかったね、で終わってしまうことがある」と切り出し、最終的には3つの以下の要素が大切になってくるとまとめた。
「まず、戦術面ではオプションを増やすこと。フィジカル面ではより走行スピードや距離を増やしていかないと、自分たちがやりたいサッカーはできていかないのかなと思います。あとは本当にメンタル面。お互いに信頼して常に全力を尽くす。こういった3つをよりまた取り組んでいく必要がある要素かなと思っています」
こうした足りない要素を埋めていく作業をこれからの「第2段階」でやっていくことになるが、ニールセン監督は「元々のプランとしては6ヶ月で第1段階が終わって、第2段階が6ヶ月でアジアカップをやって、また次のフェーズに入って、ワールドカップに向かっていく」と2年後に迫った女子W杯を見据えていた。
「アジアカップで良い成績を残して何かしらトロフィーを持ち帰ることができれば、自信を上げることはできると思う。ただ、アジアカップに関して重要なことは準決勝に進出してしっかりワールドカップの出場権を得ることだと思います。もちろん自分たちとしてはカップを持って帰ることが目標になるので、そこをやっていきたいと思います。現時点ではプラン通り、遅れてもいないですし、想定通りに進んでるかなというふうには思ってます」
来年3月にFIFA女子ワールドカップ ブラジル2027への出場権がかかるAFC女子アジアカップオーストラリア2026がオーストラリアで開催されるが、なでしこジャパンを10大会連続の女子W杯出場へ導くだけでなく、その先で勝ち切ることもニールセン監督には託されている。
(取材・文:竹中愛美)
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