欧州サッカーは8月に各国のリーグが開幕し、ここまで数試合が終了している。堂安律や久保建英など、開幕からチームの主軸として期待通りの活躍を見せる日本人選手は数多くいるが、一方で本来の能力を見せることが出来ていないタレントも多くいる。今回は、欧州で戦う日本人の中で、不調にあえぎ苦しむ選手たちをピックアップして紹介する。[1/5ページ]
MF:藤本寛也(ふじもと・かんや)

【写真:Getty Images】
生年月日:1999年7月1日
所属クラブ:バーミンガム・シティ(イングランド)
今季リーグ戦成績:出場なし
今季バーミンガム・シティへ加入した藤本寛也は、まだ監督の信頼を掴めていないようだ。
東京ヴェルディで才能の片鱗を見せていた藤本は、プロ3年目の2020年8月にポルトガル1部のジル・ヴィセンテへと期限付き移籍で加入。21歳で欧州リーグへとステップアップを果たしている。
異国での挑戦を決意した藤本は、2020/21シーズンからリーグ戦27試合に出場すると、翌シーズンにはレンタル期間ながら背番号「10」を与えられ、チームの柱へと成長した。
その成長ぶりは成績にも表れ、2023/24シーズンはリーグ戦3ゴール7アシスト、昨季は同5ゴール5アシストと確かな数字を残し続けてきた。
そんな藤本だが、ジル・ヴィセンテとの契約は昨季までとなっており、契約延長もなくフリーでの退団に。そのため、この選手の獲得にどのクラブが乗り出すのかは注目ポイントとなっていた。
結果、この獲得レースはバーミンガム・シティが制し、藤本は古橋亨悟や岩田智輝といった日本人選手らと共にチャンピオンシップを戦う選択をとっている。
しかし、藤本は今季ここまでカラバオカップ1試合のみの出場にとどまっており、リーグ戦出場は未だない。直近のリーグ戦2試合はベンチにも入っておらず、幸先が不安な状況だ。
これは、バーミンガムの基本フォーメーションに藤本が得意とするトップ下のポジションがないことが要因として挙げられる。
同選手は自身のスタイルを変化させながらチームにフィットしていくことができるだろうか。