多くの日本人選手が欧州の主要リーグへ渡り、実際にピッチに立って活躍する時代になった。しかし、高い評価を受ける選手も多い一方、クラブやファンの期待に応えられなかった選手もいる。今回は、欧州主要リーグのクラブに移籍したが、多くの批判を浴びた歴代日本人選手を紹介する。(※成績などのデータは『transfermarkt』を参照)
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FW:武藤嘉紀(むとう・よしのり)
生年月日:1992年7月15日
クラブ:ニューカッスル(イングランド)
在籍期間:2018年8月2日〜2021年8月7日(他クラブへのレンタル期間含む)
通算リーグ戦成績:25試合1ゴール0アシスト
武藤嘉紀は、2018年夏にイングランドのニューカッスルに加入したが、プレミアリーグではほとんど何もできなかった。
2017/18シーズンにマインツでリーグ戦8ゴール4アシストを記録し、評価を高めていた武藤。その実力に惚れ込んだ当時のラファエル・ベニテス監督は、「自身の進退をかけてまで獲得を熱望した(英『スカイスポーツ』)」とされる。
移籍金は1070万ユーロ(約18億円)で、同クラブの2018年夏の補強としては最高額だった。
加入後初の先発出場となった第8節マンチェスター・ユナイテッド戦でプレミア初得点を記録し、その後は先発起用が続いたものの、ここで結果を出せないでいると、11月に負傷離脱を強いられた。
その間、武藤と同じ時期に加入したサロモン・ロンドンが活躍し、レギュラーに定着。武藤は、ケガが癒えたあともベンチを温めることになった。
イングランド2年目は、負傷離脱の時期があったほかに、戦術的にもかみ合わなかった。
夏から指揮を執ったスティーブ・ブルース監督は、ロングボールを多用するスタイル。ジョエリントンやアンディ・キャロルといった大型FWをそろえたチームでは、身長177cmの武藤の出場機会は限られ、リーグ戦出場はわずか8試合にとどまった。
ゴールを挙げることなくシーズンを終えた武藤は、2020年9月にスペインのエイバルにレンタル移籍。1年後にヴィッセル神戸に加入して日本復帰を果たした。
高額な移籍金が示す通り、クラブからの期待は大きかった。
しかし、環境や戦術の変化、そして負傷の影響も重なり、武藤にとってプレミア挑戦は厳しいものとなった。
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