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瀬古歩夢はもう限界なのか。サッカー日本代表で立て続けに起こるミスと失点関与。DFとして何が一番欠けているのか

text by 編集部 photo by Getty Images

 サッカー日本代表は10日、国際親善試合でパラグアイ代表と対戦し、2-2で引き分けた。この試合では、DF瀬古歩夢がまたも評価を下げてしまった。

瀬古歩夢の一番の課題とは

サッカー日本代表の瀬古歩夢
【写真:Getty Images】

 10日に行われたパラグアイ代表との親善試合。結果的に、3バックの右で先発した背番号22は、この日の全失点に関与することになる。

 1失点目は、裏へ抜けたミゲル・アルミロンについていかず、シュートを許した。試合後に本人はオフサイドを狙いにいった自分のミスと認めている。

 2失点目は中途半端なポジショニングで、渡辺剛と被り、ストッパーとして機能していなかった。

 もちろん、ラストパスを楽々と出させてしまったことも問題点だ。しかし、それをストップしてこそのDFである。そういう意味で、瀬古の責任は重い。

 瀬古はこれまで、日本代表として10試合に出場しているが、無失点に抑えたのはうち3試合のみとなっている。

 当然ながら個人だけの成績ではない。また、瀬古は1軍、2軍といえば後者で、それゆえにコンビを組む相方も次々変わるという難しさも抱えている。

 それでも、瀬古が出ている試合で失点が多いのは事実。「またか…」と言われてしまうのも無理はないだろう。

 結局のところ、瀬古にはDFとしての「判断力」が欠けているというのが答えだろう。

 アルミロンに許した得点も、オフサイドを狙いにいくのはかなりのリスクだった。中央にいた渡辺が全く見ていなかった時点で、対処できるのは瀬古だけ。そこでオフに引っ掛ける判断は、明らかにマズかった。

 6月のオーストラリア代表戦でも、瀬古は失点に関与。相手に入れ替わられ、そのままゴールへの道筋を作られてしまった。

 この時、瀬古は相手の外側からボールを取ろうとしていたが、うまく内側に反転され、その後の対応を難しくした。DFはまず、攻撃側を外に追い込む作業が必要になる。そもそも、立ち位置とボールに飛び込む姿勢の両方を誤っていたわけだ。

 また、瀬古のプレーで散見されるのが、不用意にボールへ飛び込むことだ。

 良い距離感で待てば、味方の帰陣で囲めるという場面でも、彼はひとりで突っ込んでしまうことが多い。そこでファウルにしてしまうのは、パラグアイ代表戦も例外ではなかった。

 そして、勢いよく突っ込むことで、簡単にはがされ前を向かれるケースも多い印象。上記のオーストラリア代表戦時もそうだが、リカバリーできるだけのスピードがないなら、まず飛び出たときに潰す、不可能であればディレイするは必須だ。

 瀬古はプロのDF。そんなことは百も承知だろうが、試合ではその判断ができていない。冨安健洋や高井幸大らが戻ってきたら、おそらく彼の居場所はない。

 身体能力に飛びぬけたものがないなら、クレバーになるしかない。でなければ、W杯出場は夢に終わるはずだ。

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【了】

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