サッカー日本代表は18日、キリンチャレンジカップ2025でボリビア代表と対戦し、3-0で勝利した。2-0で勝利したガーナ代表戦に続き、2試合連続で完封している。
——————————
2試合連続完封。堅守を取り戻したサッカー日本代表
第2次森保政権は、特にAFCアジアカップ以降は守備の堅さが際立っていた。FIFAワールドカップ26アジア2次予選は6試合すべてを無失点に抑え、最終予選も10試合でわずか3失点に抑えている。
しかし、9月のアメリカ合衆国代表戦、10月のパラグアイ代表戦、ブラジル代表戦と、日本代表は3試合続けて2失点。失点の多さが目立っていた。
11月の2試合は、日本代表のディフェンス面における機能性を回復する機会となった。
ガーナ代表戦では佐野海舟が抜群の存在感を放っていたが、佐野の良さを引き立てたのは3トップの献身的なディフェンスにある。
上田綺世、南野拓実、久保建英の3人は、相手のパスコースに制限をかけながら圧力をかけるのが抜群にうまい。佐野はガーナ代表戦後に、こう話していた。
「前線の選手の守備がないと後ろはボールを奪えない。前線からの守備には感謝したいです」
パラグアイ代表戦ではとかくセンターバックの対応が失点の原因に挙げられていたが、相手のボールホルダーをフリーにしてしまった前線の選手の対応も問題だった。これは選手たちも認めている。
この2戦に共通するのは、ボールホルダーへのプレス強度が高いこと。象徴的だったのは前田大然だろう。ボールを失った瞬間、そのままボールホルダーへ圧力をかけることで、カウンターの芽を摘んでいた。
どうファウルするかも重要になってくる。もちろん、ボールを奪いきれればそれに越したことはないのだが、アタッキングサードやミドルサードならば、ファウルも効果的な守備の1つになる。かつて遠藤航も、ファウルで止めるもの技術の1つと言っていた。
データサイト『Sofascore』によると、ボリビア代表戦はファウル数が19対11と、日本代表が大きく上回っていた。これは2次予選でも多く見られた現象でもあった。
格下とされる相手はカウンターからの一撃に勝機を見出すことが多い。その一撃を封じるには、守備の枚数が少ない状態で攻撃を受ける回数を減らすしかない。
シュート数では8対12とボリビア代表が上回る結果となったが、枠内シュートは6対0と、ボリビア代表は早川友基の手を煩わせることができなかった。
シュートチャンスのほとんどが、日本代表が帰陣してブロックを築いている状態で、日本代表のシュートブロックは5回を数えた。
ファウルで止めるか、相手の攻撃を遅らせて体制を整えるか。今の日本代表はその意識が高いレベルで統一できているからこそ、危なげない試合運びができると言えるだろう。
(取材・文:加藤健一)
【関連記事】
英国人が見たサッカー日本代表対ボリビア戦「中村敬斗は非常に…」「冨安健洋の穴をよく埋めている」「イングランド代表も怖がる必要はない」
サッカー日本代表、ボリビア代表戦全選手パフォーマンス査定
W杯はもう絶望…? サッカー日本代表に呼ばれなくなった5人
【了】
