若くして才能を披露して高く評価された選手が、そのままスター選手として活躍し続ける保証はない。怪我やプレッシャーに苦しみコンディションを落とす選手がいれば、ピッチ外での問題で活躍の場を失っていく選手も多い。今回は大きな期待を背負いながらも、大舞台から姿を消した韓国人選手を紹介する。[1/6ページ]
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FW:イ・スンウ

【写真:Getty Images】
生年月日:1998年1月6日
主な在籍クラブ:バルセロナ、エラス・ヴェローナなど
現所属:全北現代モータース
13歳でバルセロナのカンテラ(下部組織)に加入したイ・スンウのポテンシャルは凄まじかった。
2014年に行われたAFC U-16選手権にて、U-16日本代表相手に約50mの独走ドリブルからゴールを決めると、「韓国のメッシ」の愛称で一躍有名となった。
バルセロナのトップチームに昇格とはならなかったが、エラス・ヴェローナ在籍時には2018年のロシアワールドカップ(W杯)メンバーにも名を連ね、韓国代表の未来を背負う存在として期待されていた。
しかし、その後のキャリアは停滞する。
エラス・ヴェローナでセリエB降格を味わうと、その後所属したシント=トロイデンとポルティモネンセで全く結果を残すことができなかった。
2022年には10代から育った欧州を離れる決断を下して、韓国の水原FCと契約した。
活躍の場を母国に移すと、イ・スンウの復活劇が始まる。
1年目からリーグ戦13得点を記録すると、2024シーズンは前半戦の18試合だけで10ゴール2アシストと大爆発。2024年7月には韓国屈指の強豪である全北現代モータースに完全移籍し、4年半の長期契約を締結した。
この復活を受けて昨年の10月には怪我人の離脱による追加招集ではあったが、5年ぶりに韓国代表復帰を果たした。
ただその後は、代表の招集を見送られている。
そんなイ・スンウは今季、所属クラブでリーグ戦24試合に出場し、4得点2アシストを記録している。