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コラム 13時間前

レアル・マドリードの闇。シャビ・アロンソはむしろ被害者なのではないか。甘やかされすぎた選手と独裁体制の限界【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤彰太 photo by Getty Images

レアル・マドリード、シャビ・アロンソ
元レアル・マドリード監督のシャビ・アロンソ【写真:Getty Images】



 スーペルコパ・デ・エスパーニャ決勝で宿敵バルセロナに敗れてから2日後、サッカー界に衝撃的なニュースが駆け巡った。満を持してレアル・マドリードに帰還したシャビ・アロンソが、シーズン半ばにして監督の座を追われることになったのだ。退任後に次々と報じられたのは、クラブ内部に蔓延していた問題の数々。急転直下の退任劇となった責任は、果たして誰にあるのだろうか。(文:佐藤彰太)[1/2ページ]
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わずか232日で幕を閉じたシャビ・アロンソの挑戦

レバークーゼンを率いるシャビ・アロンソ監督

元レアル・マドリード監督のシャビ・アロンソ【写真:Getty Images】

 それは突然の発表だった。“シャビ・アロンソ退任”。大きな期待を背負って古巣へと帰還した44歳の若きスペイン人指揮官の挑戦は、わずか232日で幕を閉じることとなった。

 2022年10月から指揮を執ったレヴァークーゼンでは、就任時に降格圏に沈んでいたチームを短期間で立て直し、リーグ戦6位、UEFAヨーロッパリーグ(EL)ではベスト4へと導いた。



 さらに翌シーズンには、ブンデスリーガ史上初となるシーズン無敗優勝を達成。クラブ史上初のリーグタイトルをもたらし、わずか数年でヨーロッパ屈指の名将としてビッグクラブが熱視線を送る存在へと駆け上がった。

 そんな順風満帆なキャリアを歩んできたシャビ・アロンソは、なぜマドリーで成功を収めることができなかったのだろうか。

最後まで解決しきれなかった問題

レアル・マドリード、ヴィニシウス
途中交代を命じられて不満を露わにするレアル・マドリードのヴィニシウス・ジュニオール【写真:Getty Images】

 最大の要因として挙げられるのが、選手との関係性の崩壊だ。

 最初に亀裂が表面化したのは、昨年10月末に行われたラ・リーガ第10節、バルセロナとのエル・クラシコだった。

 この一戦は2-1で勝利し、宿敵との勝ち点差を「5」に広げる結果となったが、試合後の話題は別のところに集中した。

 左ウイングで先発したヴィニシウス・ジュニオールが72分に交代を告げられると、「なぜ俺なんだ」と言わんばかりのジェスチャーで不満を露わにし、ベンチに座ることなくロッカールームへと下がってしまったのだ。

 その後、スタッフの説得を受けてベンチには戻ったものの、シャビ・アロンソと視線を合わせることはなかった。

 この一連の振る舞いを受け、現地メディアは両者の間に不協和音が生じていると報じた。


 そして、この一件によって生まれた火種は、時間の経過とともに次第に大きくなっていったと言っていいだろう。

 大きな規律違反を犯したヴィニシウスに対し、明確な処分を下さなかったことで、チーム全体には不信感が広がっていった。

 以前からピッチ外での振る舞いがたびたび話題に上がってきた“問題児”ヴィニシウスをどのように扱うかは、マドリーの指揮官にとって避けて通れない重要なテーマのひとつだ。

 シャビ・アロンソは、クラシコまでのリーグ戦9試合でヴィニシウスをフル出場させたのはわずか3試合、そのうち2試合はベンチスタートとし、決して特別扱いをしなかった。

 その姿勢自体は決して間違いではなかったが、両者の間に溝を生んだことは否定できない。

 結果的に、この難題をシャビ・アロンソは最後まで解決しきれなかった。

問題を抱えていたのはヴィニシウスだけではなく…」

レアル・マドリード、シャビ・アロンソ

元レアル・マドリード監督のシャビ・アロンソ【写真:Getty Images】

 だが、問題を抱えていたのはヴィニシウスだけではない。

 戦術家として知られるがゆえの細かな要求は、世界屈指のスター選手が集うマドリーという特殊なクラブにおいては、ほとんどフィットしなかった。

 個の力を最大限に引き出す手腕に長けた、モチベータータイプのカルロ・アンチェロッティ前監督の時代から一転し、フロントはシャビ・アロンソの緻密なフットボールをチームに落とし込もうとした。

 しかし、その思惑とは裏腹に、このアプローチは選手たちに受け入れられなかったようだ。



 さらに『マルカ』は、11月のトレーニング中に、シャビ・アロンソがバルデベバス(レアル・マドリードのトレーニング施設)で放った衝撃的な一言を報じている。

「保育園で監督をすることになるなんて知らなかった!」

 自身の要求に耳を傾けない選手たちに対し、溜まりに溜まったストレスが爆発したのだろう。

 仮にこの発言が事実であれば、監督と選手の間には、小さくない亀裂が生じていたことは想像に難くない。

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