柏レイソルの原田亘【写真:Getty Images】
柏レイソルは2月8日、明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第1節で川崎フロンターレと対戦し、5対3で敗れた。前半の25分間だけで3失点を喫した中、ピッチに送り込まれたのが加入2年目のDF原田亘。流動的なポジショニングと高いビルドアップ能力で攻撃にリズムをもたらした。
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3点ビハインドの状況でピッチに投入された原田亘に指揮官が送った指示とは
柏レイソルは立ち上がりから劣勢を強いられた。
昨季ベストイレブンの伊藤達哉に対してペナルティエリア(PA)内でファウルを犯し、前半6分、エリソンにPKを決められてしまう。
5分後には、左サイドでボールを受けた伊藤に突破を許すと、エリソンに再びゴールネットを揺らされる。
25分には、伊藤がカウンターの起点となり、脇坂泰斗からのパスを受けたエリソンが古賀太陽のディフェンスを押し切り、ハットトリックを達成。
柏は川崎フロンターレの縦に速いカウンター攻撃に対応しきれず、前半35分、馬場晴也を下げ、原田亘を投入する。
「とりあえず伊藤選手を抑えてほしいと、そこは絶対マストというふうに(指示があった)。攻撃はもういつも通りやってくれという感じでした」
リカルド・ロドリゲス監督からの指示は明確だった。
3得点すべてに絡み、柏の右サイドを度々侵入してきた伊藤を封じること。
「自分のサイドだと三浦(颯太)選手からのボールで攻撃開始という感じだったので、そこをまず潰せば選択肢は少なくなりますし、伊藤選手がよりフリーで受けることはなくなると思った。トージ(久保藤次郎)とコミュニケーションを取りながら、早めに三浦選手に行ってというふうには伝えたので、そこはうまくできたかなと思います」
原田がそう語るように、その後は伊藤に良い状態でボールを持たせなかった。
さらに、持ち味である攻撃参加でもみせた。投入直後の38分、小泉佳穂のパスをPAで受け、ダイレクトで中にいる細谷真大へ折り返す。細谷の技ありのゴールでもあったが、柔軟なポジショニングがアシストにつながった。
「追い越すよりは中で受けた方が相手が嫌がるかなと思いましたし、スペースがあった。アシストできたところも自分が中に入って、そこから縦に抜けてという感じだったので、相手の逆を取れた。狙っていた通りにやれたので、そこは自分では良かったかなというふうに思います」
リカルド監督が掲げる柏のスタイルはボールを保持し、細かくパスを繋ぐ攻撃的サッカー。それはこの日の試合でも多く見られたが、指揮官は課題について試合後、こう語っている。
「相手を上回らないと…」攻撃で持ち味を発揮した一方で原田が口にした課題
柏レイソルの原田亘【写真:編集部】
「後半に入り、攻撃的なプレーをし、試合を支配した中で多くの決定的なチャンスを作れていた。しかし、それを決めることができなかった。攻撃的にプレーできたところはポジティブですが、守備のところでは改善点が明確になってしまった試合だったと思います」
川崎のシュート本数が9本に対して、柏は19本放ったが、奪ったゴールは川崎よりも少ない3ゴール。多くのチャンスを作りながらも決め切ることができなかったことも当然、敗因のひとつだが、原田はきっぱりとこう言い切る。
「はっきり結果が出るのはディフェンスの失点のところだと思う。セットプレーでやられたところもそうですし、その前に自分がマルシーニョ選手を抑えていればコーナー(キック)にもならなかったです。
個々の戦いのところでカウンターを狙ってくるチームがたぶん、自分たちの試合では増えてくるので、ディフェンスライン含め、切り替え含め、相手を上回らないと、自分たちの攻撃的なサッカーは続けられないと思うので、自分は相手に絶対に前を向かせないであったり、奪い切るところはもっと課題かなというふうに思います」
今大会は8月から始まる秋春制のシーズン移行に伴う特別大会。昇降格はないが、優勝チームには2026-27シーズンのAFCチャンピオンズリーグエリートの出場権が与えられる。
優勝するためにはまず、この地域リーグラウンドで1位にならなければならない。10チームによるホーム&アウェイ方式のリーグ戦なので、試合数はわずか18試合。短期決戦では勝ち点0が後々重たく伸しかかってくるだろう。
「試合数が少ない分、もう1試合、2試合負けるだけでたぶん優勝はなくなってくると思う。とりあえず次は絶対に負けられないですし、勝たないといけないですし、引き分けもなるべくなくさないといけないです。
そのためにはさっき言ったように失点は絶対にしちゃダメだと思う。0にすれば自ずと自分たちのサッカーになってくると思うので、そこはしっかりみんなで話し合いながら修正していきたいなと思います」
次節のホーム開幕戦までわずか1週間。時間はそう多く残されていないが、課題の守備をどこまで立て直すことができるのか。原田はこの敗戦を次につなげていくつもりだ。
(取材・文:竹中愛美)
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