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サッカー本大賞2026優秀7作品の選評を紹介!


【写真:武馬怜子】



 13回目を迎えた「サッカー本大賞2026」贈賞式が3月24日、カンゼン(東京・千代田区)で開催され、優秀作品の表彰と各賞の発表が行われた。

 2025年に出版された多くのサッカー本から選ばれた7作品の選評を一挙公開。

 あなたの読みたい一冊がきっと見つかる!

選考委員による選評


【大賞】

『ブラックアーセナル』
クライヴ・チジオケ・ヌウォンカ(編纂) マシュー・ハーレ(編纂) 山中拓磨(翻訳)
カンゼン刊

 読んでいる途中でわかった。これは今年のサッカー本大賞の大本命だと。人気サッカークラブの歴史本の枠を大きく超えて、スタジアム内外でどんな人種差別があり、それをどう克服してきたかが具体的に語られる。その視野はさらに広がり、カリブ海やアフリカにルーツを持つ「黒人」だけではなく、南アジアからの移民やその子孫、女性や性的マイノリティまで言及される。あぁ、なんて風通しのいい本だろう!

 28の章を織りなす執筆陣がすばらしい。アーセナルの黒人選手の草分け的存在ポール・デイヴィスやイアン・ライトは往時の経験を本音で語る。そして社会学者やジャーナリスト、アーティストがさまざまな角度からアーセナルの多様性を解き明かす。さらにスタジアムの整備士、近所のホットドッグ売り、団地のゴッドマザーなどが執筆陣に加わっているのがなんともうれしい。彼らもまた「当事者」なのだ。

 かつて黒人選手にバナナが投げられ、猿の鳴き真似が響き、黒人を「撃て」というチャントまであった差別の見本市のようなサッカースタジアムが、多くの黒人・移民・マイノリティにとって「自分の居場所」になっていく過程に胸が熱くなる。ふんだんな古今の写真が目に楽しく、黒と赤で統一されたブックデザインも美しい。手元に置いて何度でも読み返したい一冊。

(金井)

 原著に忠実過ぎたためか、【執筆者紹介】が巻末にまとめられています。話者まで含めた26人の順番が登場順でないために、照合するたびに難儀しました。登場16人目のイアン・ライトや5人目のポール・デイヴィスあたりならそれなりの知識がありますが、大学関係者、国会議員、スタジアム外でのバーガー/ホットドッグ販売者にハイバリー・スタジアムの元メンテナンス職員と多種多様な登場者のプロフィールはやはり各項の入り口か出口で知りたいところ。豊富なカラー写真のキャプションが明解だったために余計気になりました。

 いきなり苦言を呈しましたが、本作に目を通しながらノンフィクションが盛んだった70年代~90年代にかけての名著を思い出しました。それはスタッズ・ターケルの『仕事!(ワーキング)』(晶文社・83年)であったり、20世紀を代表するフランスの社会学者ピエール・ブルデューの『世界の悲惨』Ⅰ~Ⅲ(藤原書店・2019~20年)であったり……。

 しかし類書と呼ぶに相応しいその2冊が翻訳されたのは、前者が11年遅れで、後者に至っては何と26年後。

 その点で本受賞作の場合は、ほぼ時間差なし! ある種の快挙と言えるかもしれません。ただ時はめぐり、武田徹『日本ノンフィクション史 ──ルポルタージュからアカデミック・ジャーナリズムまで』(中公新書・2017年)が示唆したように、アカデミズムをノンフィクション製作の場とする傾向がより一層強まっています。作品の売り上げだけを生活の糧とする職業ライター、翻訳家にとってはなかなか厳しい時代と言えるかもしれません。

 ハイブラウ過ぎて大衆性を欠くのはアカデミズムの古典的問題で、「文化資本の階層化」(ブルデュー)は永遠の課題です。受賞作によって知的世界→メディア→大衆へと滴り落ちる知のトリクルダウンが起きることを願ってやみません。

(佐山)

 カルチュラル・スタディーズという考え方がある。文化は一方的に与えられるものではなく、人びとが日々の営みのなかでそれを受け取り、解釈し、実践していく、そんな考えた方で、スチュアート・ホールとかポール・ギルロイとか、代表的思想家もいれば、主著も訳されている。でも、なんか掴みにくい印象を脱することができないでいた。

 そもそも、われわれにとっては、サッカーこそがもっとも「日々の営み」のなかに普通に存在しているジャンルであり、それをどう受け取って、解釈していくのか、どんな実践があるのか、知りたかった。イングランド・プレミアリーグの雄、アーセナルFCには黒人選手が多く在籍した。そのことをめぐって、様々な受容と運動があったことを詳らかにした本として、つまり、カルチュラル・スタディーズのフットボールにおける実践篇として、とても大切な本が訳されたと感じた。

 細部は本を具体的に読んでみて欲しい。この本が、排外主義の風がいまにも吹こうとしている、この日本で訳された意味は大きいと思う。

(陣野)

 あなたはEURO2020の決勝でPKを外したブカヨ・サカ(当時19歳)に対して、どんな言葉が浴びせられたのかを覚えていますか? そして、英国国民なら当然備えているべき頑健さを欠いた勝負弱い選手と彼を批判した、黒人コミュニティに対して敵意を剥き出しにする人々が心の奥底に抱えていたものは何だったのでしょうか?

 本書はその疑問に答えながら、ノースロンドンに本拠地を置くアーセナルFCが英国における黒人性の象徴にどうやってなっていったのかをあぶり出そうとした意欲的な1冊です。

 多文化の街において、差異を差異のまま内包しながら自然な形での共生をするために必要なこと。それを、選手だけでなくサポーター、記者、シェフ、DJ、スタジアム管理人などなど様々な人の声を集めながら探っていきます。

 その多声的な本をしっかりとした読み物としてまとめた翻訳の妙と、原書では大判だった判形をコンパクトにしながら大胆な写真使いとエディトリアルデザインの力で魅力を引き継いだ編集技術も特筆すべきもの。2025年を代表する大賞に相応しい1冊ですし、分断の時代にこそ多くの人の目に触れてほしいタイトルです。

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【大賞】

『なぜ超一流選手がPKを外すのか サッカーに学ぶ究極のプレッシャー心理学』
ゲイル・ヨルデット(著) 福井久美子(翻訳)
文藝春秋刊

「人生で大事なことは全部サッカーから教わった」と言うと嘘になるけど、「人生で大事なことのいくつかはサッカー本から教わった」は本当だ。この本で学んだことも、この先ずっとわたしの人生を照らすだろう。

 まず著者ゲイル・ヨルデットの執念にたじろぐ。「PKが大好物」だというスポーツ心理学者で、1970年から現在までのありとあらゆるPK動画を集め、克明に分析してきたある種の「変人」だ。流行りのデータ分析ではなく、心理学の専門家としてのアプローチがとにかくユニーク。古今東西のスーパースターたち(PKキッカー、ゴールキーパー、監督、チームメイト)がどう行動したのかを紐解く筆致がじつに鮮やかで、全編が読書の楽しみに満ちている。
  
 そして膨大なPK分析から導き出された答えは、わたしたちの人生にも応用できる。プレッシャーがかかる場面で、焦って動き出すのは禁物。対決の場を支配するためには自分のタイミングを守るべし。仲間が失敗したときに放置してはいけない。うまく行ったらちゃんと喜ぶことで次もうまくいく。などなど、人生で大事なことがいくつも書いてあった。

(金井)

 サッカー界の上御一人(かみごいちにん)と目されるお方が、百年構想リーグでのPK戦導入とW杯でのPK戦未勝利に対して「良いんじゃないの。だって日本は下手なんだもん」「練習していないから負ける」と言ってのけたそうです。まったくもって言うのは簡単。粗雑な前時代的物言いに呆れ返りました。

 PK関連の書籍が珍しいものではなくなっています。3回目、2016年度の当賞でベン・リトルトン著、実川元子訳『PK 最も簡単なはずのゴールはなぜ決まらないのか?』が、翻訳サッカー本大賞を受賞しています。

 前回W杯では森保監督が立候補制を選びました。PK戦に批判的だったオシムさんがロッカールームへと消えるシーンを覚えている人もいるでしょう。本書の原題はそんな情況をシンプルに言い表す『プレッシャー』──。著者のゲイル・ヨルデット氏は、ノルウェースポーツ科学学校の教授兼心理アドバイザーです。

 原書の副題に“LESSONS FROM PSYCHOLOGY OF THE PENARTY SHOOTOUT”(PK戦の心理学から得られる教訓)とあるので、そのままでも良かったのではないかという意見が委員のあいだから出ました。たしかに日本語版はタイトルと副題(→サッカーに学ぶ究極のプレッシャー心理学)が長すぎるので、「MUST BUY ! 」と勧める際に舌を噛みそうではあります。

 本書には先行研究を咀嚼した上での具体策があり、前回W杯の日本代表の失敗についても、問題の核心に伝統主義的で保守的な文化がある。この慣習を後世に受け継がせてはならない、と嬉しくなるような熱烈さをもって指摘してくれています。

 PK戦の大プレッシャーはそれを経験した本人にしかわかりません。キッカーの苦痛と観客席の苦痛とのあいだには無限の距離があります。でもその距離は埋めねばなりません。他者のプレッシャーへのまなざしを欠くサッカー界に広く行き渡って欲しい。そんな思いから本作を強く推しました。

(佐山)

 ペナルティ・キックに関する本はじつは少なくない。サッカーを構築するピースのなかでもかなり例外的存在だからかもしれない。だが、この本はやや偏執的なまでに、PKを腑分けして、その一つひとつについて論評していくというスタイルで、これまでのPK論を進化させていると判断した。

 キーパーの心理、キッカーの動き、あるいは、延長戦が終わってから戦術的な判断を選手たちに伝えるまでの時間の長さ、または、ホイッスルが鳴ってからキーパーが反応するまでの時間の長さの国別のランキングなど、著者が気になって仕方がない要素を取り出し、自分で具体例を集めて、計測する。この本の裏側には、地道なそんな努力が膨大に積み上げられている。

 データ収集が好きなんだな、と思う。そしてデータを分析することも好きなのだろうと思った。何よりも集められているデータが本当にポイントを突いた試合と場面ばかりで、そこがいちばん面白いところかもしれない。つまり読むデータとして秀でているのだ。文体の勝利かもしれない。

(陣野)

 著者のゲイル・ヨルデットはサッカーの現役選手でもなければ監督でもありません。心理学を研究する大学教授です。けれど、彼ほどPKというものを深く探求し、多面的に捉えてている者はいないと本書を読み通せば理解できます。つまり、彼の好奇心と執念が結晶したのがこの1冊です。

 心理学的な側面からPKを研究する著者は、PKの構成要素を細かく細分化し、解像度を圧倒的に高めました。プレッシャーに選手たちがどう対処し、どうパフォーマンスを維持するのかをここまでわかりすく説明してくれた人は今まで居ません。それは世界中の不安なPKキッカーだけでなく、私たちが日々のストレスとどう向き合い、どうマネジメントすべきかという話に繋がります。なぜなら、彼はボールを蹴る技術そのものに関心はなく、そのキックの直前までの心の機微を覗こうとしているから。

 ゆえに、遠藤保仁のPKの秘密もそのコロコロとしたボールの弾道ではなく、その長い間合いに対する考察を通じて知ることができます。加えて今年のW杯のために追記するなら、PKの「立候補制」と「指名制」の差異に関する記述も、ぜひ森保監督に読んで欲しいものです。

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【特別賞・読者賞】

『早稲田サッカー 百年の挑戦』
伊東武彦(著)
徳間書店刊

 サッカーにまつわる記年史(誌)の現在地は今どこにあるのでしょう。手元に今、轡田三男氏らが編集した『早稲田大学ア式蹴球部50年史』があります。巻末のWMWクラブ会員名簿には、出身高、学部、住所、電話番号のみならず勤務先の連絡先までもが記載され隔世の感があります。編年史記述をベースにした座談会、OB回想、戦績一覧などによるオール横書きの一冊で非売品です。

 同じ臙脂色カバーのこの2025年新版は、表題に「挑戦」を持ってきているだけのことはあり、巻末の歴代戦績を除く全体の7割以上が伊東氏によるノンフィクション労作。縦書き/明朝体ならではの風格が漂い、城福浩・東京V監督をはじめとする一体何人のOB、OGに取材をしたのかと敬服した人も多いはずです。

 他大学にも、東大、慶應をはじめとして、筑波(東京高師)、神戸大(神戸高商)、明治、同志社、関学、明治などに公式の記念誌があります。その多くは70年、75年、80年、90年、100年という区切りの年に編纂されたものです。しかし今世紀に入ってからの積極的な動きはあまり伝わってきません。

 そんな矢先の商業出版でしたから、選考する側にも多少の戸惑いがありました。巻末の「百年の戦績」が男子部編と1991年創部の女子部編に分かれているのも50年史の時代には想像できなかったことです。

 選考の過程で思いがけず出てきたのが、大相撲の三賞の一つである〈技能賞〉という言葉です。「読みやすい」が至上の価値であるかのようにいわれる今、経験豊富な美文家による玄人芸が新鮮に思えるのは当然すぎることなのでした。

(佐山)


【特別賞】

『サッカーはデータが10割 最強アナリストが明かすプレミアリーグで優勝する方法』
イアン・グラハム(著) 木崎伸也(監修) 樋口武志(翻訳)
飛鳥新社刊

 サッカーにおいてデータが重要なことは、今や誰もが(何となく)知ってはいますが、その実像を具体的に伝える本として本書は間違いなく優れた1冊と言えるでしょう。

 原題は「How to Win the Premier League: The Inside Story of Football’s Data Revolution」といういかにも理系な著者がつけたと想像できる、物語性などさっぱり感じない教科書のようなタイトル。なのですが、特に第1パートは盛り上がります。リバプールファンであれば完璧ですが、そうでなくともデータを駆使する「ラップトップガイズ」がいかに論理を構築し、どういうプロセスを経て選手の評価や獲得を進めていったのかを追跡することは、データ分析とその実装のよきケーススタディとなるでしょう。

 日本語版の編集チームによって「データが10割」と言い切ってしまったタイトル変更の判断も良かったのでは? もちろん賛否はあると思いますが、そこにはデータ主義の強固さと決意が垣間見えます。

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【優秀作品賞】

『プレミアリーグ全史[1][2][3]』
ベン・メイブリー(著)
平凡社刊

 いま、若いサッカー好きの人(男女を問わない)と話をしていると、圧倒的にみんなイングランドのプレミアリーグが好きなのだ。ついでスペイン、ちょっと差がついてドイツ、イタリア、ぐっと離れてオランダ、フランスという順番だろうか。彼ら/彼女らはみないまのリーグ戦の話をしたがる。

 今シーズンこそアーセナルが優勝、とか、マンUの復権は嬉しい、とか、いま現在行われている試合についてあれこれみんなで語りたいのだと思うし、それはそれで楽しいにちがいない。いっぽうで問題は、歴史性ではないかと、齢を重ねた者として思わないでもない。

 プレミアリーグがどのような歴史を刻んで現在の姿に到達したのか、ターニングポイントになった試合はどれなのか、どうしても挙げなければならない選手は誰なのか、とか、試合を具体的にあげて、できればプレーにも言及して、なおかつ、通史としてちゃんと成立する、そんな本は書かれるべきだし、書いている人はいないのか、とも思ってきたのだ。そこへこの新書三巻本である。歴史書として素晴らしい。

 ただ、著者にもよくわかっていると思うが、もうちょっと書いてくれ、という箇所もある。もう少し深く掘ってくれ、でも歴史も知りたい、そんな二律背反する感情のあいだで揺れる読書であった。むろん、こうした新書の形で「プレミアリーグ」をプレゼンする企画は、アイデア勝ちである。そこを評価したい。

(陣野)

『PEACE WING -広島サッカースタジアム 構想・設計・建設の記録』
広島サッカースタジアム単行本制作委員会(編著)
建築画報社刊

 2002年日韓共催ワールドカップは、多目的陸上競技場の建設ラッシュでもありました。全国自治体職員サッカー連盟の高田一夫氏が中心となって企画・編集した『日本のサッカースタジアム』(発行・JFA)の新版が定価5千円で刊行されたのも同年1月のことです。

 時が流れ、専用スタジアムでのJ1公式戦が過半数を超えたのが2017シーズン。大きな転機となったのが市立吹田スタジアムの完成です。それから7年が過ぎ、「まちにひらかれた中規模専用へ!」という今のトレンドを〈エディオンピースウイング広島(略称:Eピース〉が決定づけたとも言えるでしょう。

 ピッチまでの距離、勾配、着席時の人の通りやすさ、防雨や照明、音量までもを含めた屋根などの総合評価ランキングでは吹田スタジアムや長崎のPEACE STADIUMが上位常連です。しかし専門家筋では2万8千347人収容のエディオンピースウィング広島(24年2月開業)が一番とよく耳にします。市の中心部にあって適正規模。そして今回、いわゆるまちなかボールパークに関する記録書が出たことはサッカーファンならずとも実に喜ばしいことです。

 本書の座談会で含蓄ある発言をしている仙田満氏(建築家/環境デザイナー)の存在を知って、「スタおた」ないしは「スタちゃん」になる人がいるかもしれません。

「いい加減に天然芝という言い方はやめて欲しい。芝下の床砂、島根4.5号は無理でもせめてティフトン419ぐらいは当たり前のように言って欲しい」「自分の建物という意識がないから周辺建物にまで影響する縦ノリ運動がはびこる」なんて会話が聞けるのもそう遠くない日のはずです。

 専用ボールパークを長く享受できる若い世代は幸せです。と同時に、まちの一部として機能させるこの嬉しいトレンドを目にすることもなく世を去った「サッカーどころ・広島」の多くの関係者にも思いを寄せたくなる一冊です。
 記録性に徹した臨場感あふれるこの専門書をケーススタディに、普段着のサカスタ本が生まれることを期待して推させて頂きました。

(佐山)

『史上最強のサッカー日本代表をつくるために僕はベルギーへ渡った』
立石敬之(著)
日経BP刊

 とにかく立石敬之さんの発想と行動力に度肝を抜かれる。JリーガーからJ1クラブの強化部スタッフになった立石さんは、折に触れて「日本のサッカーを強くするにはどうしたらいいか」を考える人だった。まずその時点で尋常じゃない。

 日本人選手の欧州リーグ挑戦は珍しくなくなったが、出場機会が得られなかったり、実力が発揮できないまま解雇されたりする人も多い。10年ほど前、欧州で居場所をつかむ日本人選手はひと握りだった。そこで立石さんはとんでもないことを思いつく。欧州でサッカークラブをもち、そこで日本人選手を育てるという壮大なビジネス。その一部始終をつづったのが本書である。

 異国で会社を経営する、代表クラスの選手を輩出する、移民のオーナーが地元民に愛されるチームをつくる…どれも簡単なことではない。しかし度重なるピンチを乗り越えて、夢は少しずつ叶っていく。岡崎慎司や遠藤航らシントトロイデン(立石さんのチーム)に在籍した選手の証言も貴重。内向きになりがちな今の日本人の目を覚ます本だ。
(1行空きが多すぎる本文レイアウトが気になった…)

(金井)



選考委員(五十音順、敬称略)

金井真紀(かない・まき)
1974年生まれ。文筆家・イラストレーター。任務は「多様性をおもしろがること」。著書に『パリのすてきなおじさん』(柏書房)、『サッカーことばランド』(ころから)、『世界はフムフムで満ちている』(ちくま文庫)、『聞き書き世界のサッカー民 スタジアムに転がる愛と差別と移民のはなし』(カンゼン)、『日本に住んでる世界のひと』(大和書房)、『おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った 世界ことわざ紀行』(岩波書店)、『テヘランのすてきな女』(晶文社)など。

佐山一郎(さやま・いちろう)
作家、編集者。アンディ・ウォーホルズ『Interview』誌と独占契約を結んでいた『Studio Voice』編集長を経て84年、独立。主著書に『東京ファッション・ビート』(新潮カラー文庫)、『「私立」の仕事』(筑摩書房)、『闘技場の人』(河出書房新社)、『サッカー細見 ’98~’99』(晶文社)、『デザインと人』(マーブルトロン)、『雑誌的人間』(リトル・モア)、『VANから遠く離れて −評伝石津謙介−』(岩波書店)、『夢想するサッカー狂の書斎 −ぼくの採点表から−』(カンゼン)、『日本サッカー辛航紀 愛と憎しみの100年史』(光文社新書)。Instagram: @sayamabar

陣野俊史(じんの・としふみ)
1961年生まれ、長崎県長崎市出身。フランス文化研究者、作家、文芸批評家。サッカーに関する著書に、『フットボール・エクスプロージョン!』(白水社)、『フットボール都市論』(青土社)、『サッカーと人種差別』(文春新書)、『ジダン研究』(カンゼン)、共訳書に『ジダン』(白水社)、『フーリガンの社会学』(文庫クセジュ)がある。その他のジャンルの著書に、『じゃがたら』『ヒップホップ・ジャパン』『渋さ知らズ』『フランス暴動』『ザ・ブルーハーツ』『テロルの伝説 桐山襲烈伝』『泥海』(以上、河出書房新社)、『戦争へ、文学へ』(集英社)、『魂の声をあげる 現代史としてのラップ・フランセ』(アプレミディ)など。

幅允孝(はば・よしたか)
有限会社BACH代表。ブックディレクター
人と本の距離を縮めるため、公共図書館を中心に病院や学校、ホテル、企業ライブラリーの制作をしている。代表的な仕事として、「こども本の森 中之島」のディレクションや「神奈川県立図書館」再整備監修など。
近年は本をリソースにした企画・編集・展覧会のキュレーションなども手掛け多岐にわたる。
京都「鈍考/喫茶 芳」主宰。
Instagramアカウントhttps://www.instagram.com/yoshitaka_haba/

【サッカー本大賞とは】
良質なサッカー書籍が、サッカー文化を豊かにする。
2014年(平成26年)に設立された、サッカーに関する書籍を対象にした賞です。
良い本はサッカーの見方を豊かにしてくれます。また、日本でサッカーがナンバー1スポーツになり、世界に誇れるサッカー文化を築いていくためには、高い志と情熱をもって創られた良質なサッカー書籍がもっともっと多く世に出て、多くの人に読まれて欲しいと考えています。サッカー本大賞の創設はそのような思いが出発点になっています。
【公式HPはコチラ】

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【了】

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