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戦術か選手任せか? サッカー日本代表、イングランド代表を困らせたWBとシャドーの立ち位置。そのメリットとデメリットとは?

text by 編集部 photo by Getty Images,Shinya Tanaka

WBとSTの立ち位置 第2報
中村敬斗・三笘薫・伊東純也・堂安律【写真:Getty Images,田中伸弥】



 FIFAランキング4位のイングランド代表を相手に、1-0で勝利したサッカー日本代表。スコットランド代表で初めて試した三笘薫をシャドーに置く戦術が、結果に結びついた。南野拓実の穴をどう防ぐかが課題として挙げられていたが、今回の試合では解決どころか、さらに上のレベルに達していた。

WBとシャドーの流動性

 今回のイングランド代表戦では、左WBに中村敬斗、左シャドーに三笘薫を配置。一方、右WBは堂安律、右シャドーには伊東純也が置かれる布陣となった。

 試合を動かしたのは、左を主戦場にしていた2人だった。

 自陣中央でボールカットした後、三笘がピッチ中央をドリブルし、左サイドでフリーになっていた中村にパス。そのボールを再び三笘に返し、冷静に流し込んでゴールネットを揺らした。

 これは、この2人だから生まれたゴールだと考えられる。

 狭いエリアでも前進できるスピードのある三笘とサイドで仕掛けながらもパス・シュートを選べる中村だったからこそ奪えたのだろう。

 ただ、これは逆のパターンも可能である。中村が運ぶ→三笘が折り返す→中村が決める。といった流れも想像できる。

 一方、右サイドを見ても同じことが言える。これまで主に右WBを務めてきた伊東と堂安だが、どちらもシャドーも務めることができ、両者とも正確なクロスとシュートも持っている。

 これを叶えることができるのが、今のサッカー日本代表の強さであり、選手のレベルの高さでもある。

 実際、今回のイングランド代表戦でWBとシャドーが入れ替わって、相手を崩すシーンは何度かあった。

 その中でも、54分の決定機はまさに流動的といえるシーンだった。

 右サイドで受けた堂安とシャドーを務める伊東、左サイドから流れてきた三笘の3人で完全に相手の右サイドを破り、チャンスを演出している。



 特に、三笘と伊東は試合全体を通して、ピッチ全体を自由に動いている傾向にあり、そこからWBとの立ち位置を変える瞬間が目立っていた。

 これらが、全て森保一監督の手腕によるものなのか、それとも選手間の判断なのかは不明ではある。

 ただ、今回の試合で明確にメリットとデメリットが明らかとなったと考えられる。

 前者は、イングランド代表戦でも顕著に出ていた「捕まえづらさ」だろう。WBとシャドー4人が左右関係なしに流動的に動くことによって、マークのずれが生じて攻撃に活性化が生まれる。

 一方、デメリットで見てみると、対策としてブロックを敷くのではなく、マンツーマンで守備対応されてしまうと先述した「マークのずれ」が生まれなくなってしまう。

 また、どちらかのサイドに寄った中で、ボールロストしてしまうと逆サイドに展開され、数的有利な状況を与えてしまう。

 これは、日本代表に限らず、三笘が所属するブライトンでも、よく見られるパターンだ。

 今回のイングランド代表戦では、全てメリットに働きピンチは少なかったが、このサッカーを披露したことで対戦する可能性がある他国に分析されてしまう恐れがある。

 選手個人に任せるだけではなく、前回大会のように試合中の森保監督の采配も「W杯優勝」に必要不可欠になってくるだろう。

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【了】

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