イングランドを代表する名門クラブであるアーセナルは、FAカップを歴代最多の14回制覇するなど数々のタイトルを獲得してきた。長い歴史においてアカデミー出身の選手がクラブに与えた影響は大きく、アーセン・ヴェンゲルが監督に就任した初期から現在まで多くのクラブ生え抜きの選手がチームの主軸を担う存在へと成長している。今回は、21世紀以降に在籍した選手の中から厳選したアカデミー出身の最高傑作を紹介する。[1/5ページ]
DF:トニー・アダムス(イングランド)
生年月日:1966年10月10日
アーセナル通算成績:672試合48得点11アシスト
トニー・アダムスはアーセナル史上最高の選手の一人だろう。
今の時代では絶滅危惧種である「ワンクラブマン」を体現した選手であり、通算672試合は元アイルランド代表DFデヴィッド・オレアリーに次ぐ歴代2位の最多出場記録だ。
1983/84シーズンにトップチーム昇格を果たす。1988年に主将に就任すると、引退まで約14年間キャプテンを務めた。
身長191cmという巨漢の持ち主であったアダムスはクラシカルなスタイルのCBで、ロングボール全盛の時代のイングランド・フットボールにおいても無類の空中戦の強さを誇った。
最終ラインのDFリーダーとしての統率力やラインコントロールも巧みで、そのキャプテンシーはアーセン・ヴェンゲル監督からも「特別なリーダー」と賛辞を贈られた。
長きにわたってアーセナルの最終ラインを支え、1980年代、1990年代、2000年代にイングランドのトップリーグ(プレミアリーグが発足する1992/93シーズンより前はフットボールリーグという名称)を通算4度制した。
今でもファンの間で伝説となっているのが、1997/98シーズンのホーム最終戦でリーグ優勝を確実なものにしたゴールだ。
試合終了間際に、相手DFラインの背後にCBとは思えない動き出しで抜け出すと、利き足ではない左足でゴールに流し込んだのだ。
現役最終年となった2001/02シーズンには、プレミアリーグ優勝とFAカップ優勝という、最高の置き土産を残して偉大なキャリアを終えた。

