サッカー日本代表は31日にアイスランド代表と対戦。終盤の小川航基のゴールで1-0と競り勝ったが、かなり苦しんだ90分間だった。
ボランチに見られた不安
立ち上がりから日本はボールを支配したが、アイスランドを崩せていたわけではない。ホームチームが悪いというより、相手が頑張っていたという表現が正しいか。
3-4-2-1の日本に対し、アイスランドはマンツーマンで対応した。ボールが入れば、すぐに身体を寄せて前を向かせない。シンプルだが、約束事が徹底されていた。
日本は久保建英や中村敬斗の個人技でズレを生み出すこともあったが、アタッキングサードにボールを入れる作業に苦労した。久保と伊東純也のシャドーが少し下がった位置でボールを受けることで相手のマークの混乱を引き起こそうとしたものの、同時に上田綺世が孤立して珍しく存在感を失う原因にもなった。
もう一つ問題だったのが、ボランチのプレーメーカー不足だった。遠藤航はもともと得意とはしておらず、おまけにコンディションが万全ではなく、微妙なプレーに終始。田中碧もスタイルが攻撃的ゆえに、本来はゲームを作っていくタイプではない。活かされた方が背番号7は輝く。この日は自らが活かす側に回る機会も多かったことで、その特徴がほぼ出ず、アタッキングサードでのプレー数はDF伊藤洋輝やDF長友佑都よりも少ない数に留まっている。
アイスランドのようなマンマークを攻略するためには、先述した通りドリブルなどの個人技で打開するか、ポジショニングで優位性を作るかの二択が必要だ。この後者におけるスペシャリストが、鎌田大地と守田英正の2人と言っていいだろう。彼らはとにかくビルドアップ時のルートを見出す能力がずば抜けている。
鎌田は今回、クラブ事情による不参加だが、やはり守田は必要だったのではないか。技術だけでなく、高いレベルのポジショニングやオフ・ザ・ボールの動きで守備に穴を空けることができるのは、鎌田のほかに守田しかいない。ベンチには置いておきたかった。
今回のアイスランド戦は、相手の体格や特徴的に仮想オランダ代表や仮想スウェーデン代表という位置づけになるが、堅守を崩すという意味では仮想チュニジア代表戦とも言えるかもしれない。アフリカのチームは北中米W杯予選で無失点を誇る曲者だ。
そのチュニジア代表戦に鎌田がいないということがあれば…。アイスランド戦のような停滞感はぬぐえず、取れたはずの勝ち点を落とすかもしれない。過ぎたことを今更言っても仕方ないが、守田がいれば、鎌田の負担は減らせたはずだし、そうした不安はなかった。
遠藤の状態も気になるところで、さいあく本大会では、実質3人でボランチを回さなければならないことになる可能性もある。瀬古歩夢が中盤で存在感を示したことはプラスだが、スタートから使うほどの信頼はまだなく、あくまで数としては含まれるという段階。そして、不足するプレーメーカーを補うという形にはならない。
守田がいれば、ボランチの数、プレーメーカーの数の両方をクリアできたはずだ。本大会で「ほら、やっぱり守田がいた方がよかった」と言われる結果にならないことを願う。
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