
サッカー日本代表、上田綺世【写真:田中伸弥】
5月31日に行われたサッカー日本代表とアイスランド代表との国際親善試合で、森保一監督は1トップに上田綺世を起用した。2025/26シーズンのエールディビジで25ゴールを記録し、得点王に輝いたストライカーだったが、不発に終わった。今回のテストマッチでそこから明確な課題とそれを解決する策が浮かび上がった。[1/6ページ]
アイスランド戦で孤立してしまった上田綺世

アイスランド戦の上田綺世【写真:Getty Images】
対オランダ代表、スウェーデン代表を想定して行われた今回のアイスランド代表との一戦。45分のみの出場となった上田綺世は、ここ数試合とは違い、存在感がまるでなかった。
データサイト『SofaScore』によるとシュートは0本で終わり、ゴール前だけでなく、前線で起点になる回数も少なかった。
その原因として、シャドーを務めた久保建英と伊東純也が下がった位置でボールを受け、攻撃のサポートに回る働きに転じていたことが、逆に上田を孤立させてしまう要因となったと考えられる。
このようなシーンは、今試合以外にも想定される。
となると、上田は相手DFとの1対1に時間を費やすことが増える。FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会に置き換えてみると、オランダのフィルジル・ファン・ダイクとのマッチアップが多くなるということだ。
サッカー日本代表の中では、最もポストプレーが上手く、無理な体勢からでもボールを繋ぐことができる同選手だが、相手がファン・ダイクともなると話は別だ。
約8年半、リヴァプールでプレーし、数々のストライカーを封じてきた守備職人は、195cmの体格を活かした空中戦とスピードに長けている。
それに加え、サッカーIQの高さも桁違い。近年、繰り広げられているマンチェスター・シティのアーリング・ハーランドとの対人戦では、その賢さを持ってノルウェー産FWを抑えている。
スコットランド代表やイングランド代表戦でも、やや存在感が薄かったことを踏まえると、オランダ戦はさらに影を薄めてしまうのではないだろうか。
そんな中、対ファン・ダイクの攻略に繋がるヒントが、アイスランド戦にあった。
対ファン・ダイクに有効なのは?

オランダ代表のフィルジル・ファン・ダイク【写真:Getty Images】
データサイト『SofaScore』によると今回の試合、日本代表は15本のシュートを放ち、そのうち枠内シュートが7本だった。
さらに細かく見てみると、ペナルティエリア内のシュートが9本。エリア外からは6本放っている。
10月に行われたブラジル代表戦からイングランド戦までの5試合のスタッツを見ても、1番多い数値となっている。
裏抜けからのスピード勝負や空中戦で圧倒的に不利なことを考えると、オランダ代表DFから離れた位置からのミドルシュートが効果的だと筆者は考える。
今試合でエリア外からのシュートで枠に飛んでいたのは、36分の久保のシュートと39分の田中碧のシュートだった。
どちらも相手GKにキャッチされてしまっているが、枠に飛んでいることが重要であり、得点に繋がるチャンスだと考えられる。
1番は、そのままゴールネットを揺らすことが理想ではあるが、そうでなくてもGKが弾いたこぼれ球を詰めることも手段として1つある。
実際、ファン・ダイクはゴール前でのこぼれ球に対し、反応が遅れる傾向がある。
一方、上田はゴール前での嗅覚に長けており、誰よりも早く反応することができるストライカーだ。
これらのことを考えると、真っ向勝負でファン・ダイクに挑むのではなく、少し離れた位置からの強烈なシュートが、オランダからゴールを奪う最適解なのではないだろうか。
日本代表のメンバーを見ても、前回大会のスペイン代表戦でミドルシュートを沈めている堂安律やカットインからのシュートが得意な中村敬斗、今季チェルシー戦で強烈なシュートを決めている田中碧など、オランダ相手にも通用するであろう名手は揃っている。
グループリーグ突破において重要なオランダ戦。何が起こるかわからないサッカーの試合において、勝利を手繰り寄せるためには、ミドルシュートが“カギ”になりそうだ。
(文:前島大晟)
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