ブラジル戦後、サポーターに挨拶する日本代表の選手達【写真:田中伸弥】
ベスト32敗退――。結果だけを見れば、日本代表は前回大会と同じところで大会を終えた。しかし、その中身は4年前とは大きく違う。森保ジャパンは、この大会に向けて考え得る限りの準備を積み重ねてきた。それでもブラジルには届かなかった。その現実は、日本サッカーに何を突きつけたのだろうか。
FIFAワールドカップ2026 決勝トーナメント1回戦
ブラジル 2-1 日本
現地時間6月29日 ヒューストン・スタジアム
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「準備」は整っていた。それでも越えられなかった壁
ブラジル戦後、多くの選手が口にしたのは「個の力」という言葉だった。
堂安律は「負けるべくして負けた試合」、谷口彰悟は「まだ世界との差はある」、伊東純也は「個々の力はまだまだ足りない」と語った。
ただ、それは決して「準備不足」を意味するものではない。
今大会の日本代表は、これまで以上に「勝つための環境」を整えて北中米の地へ乗り込んだ。
スタッフ体制を充実させただけでなく、前回大会主将の吉田麻也がサポートプレーヤーとして帯同。負傷でメンバー入りを逃した南野拓実もメンターとしてチームに加わり、精神面を含めたサポート体制を構築した。
ベースキャンプ地の環境や移動スケジュールにも細心の注意を払い、選手たちが最高のコンディションで試合に臨める環境を整えてきた。
そうした積み重ねは、グループステージでも結果として表れた。日本は無敗で2位通過。オランダ戦では2度リードを許しながらも2度追いつく粘り強さを見せ、追加招集後に体調不良で第2戦を欠場した町野修斗を除き、フィールドプレーヤー22人全員を起用。
チーム総得点も7得点を記録し、過去最多だった2018年ロシア大会の6得点を上回るなど、総力戦という意味では大会屈指のチームだった。
それでも、あと一歩届かなかった。
後半、ブラジルはヴィニシウス・ジュニオールを左サイドへ張らせるなど修正を加え、日本は徐々に押し込まれた。日本も最後まで組織を崩さず戦ったが、一瞬の判断、局面での駆け引き、試合を決め切る力――その差が勝敗を分けたのかもしれない。
もちろん、今大会で日本サッカーが得たものは少なくない。組織力、ハードワーク、チームとしての完成度は、世界の強豪とも十分に戦えるレベルまで到達したことを証明した。
だからこそ、これまで積み上げてきた組織力や準備だけでは届かない領域があることも浮き彫りになった。ブラジル戦は、日本サッカーが次の4年間で何を伸ばすべきなのか、その問いを残した一戦でもあった。
(文:竹中愛美)
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