異端の天才 金田喜稔の「超常識」(前編)

2012年12月20日(Thu)19時35分配信

text by 海江田哲朗 photo Kenzaburo Matsuoka
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破られない金田の最年少得点記録(写真は宮市亮)【写真:松岡健三郎】

俺の30年間を返してくれ

──若き俊英が日本代表に召集されるたび、金田さんの代表最年少ゴール記録がクローズアップされます。今年2月24日、アイスランド戦での久保裕也(京都サンガF.C.)、2月29日、ウズベキスタン戦での宮市亮(ボルトン・ワンダラーズFC)。それぞれゴールを決めれば記録が塗り替えられると話題になりました。

「久保に関してはまったく知らなかったね。なんでJ2から選ばれとるんやと不思議に思ったけど、監督の大木が『これまで見てきた日本人ストライカーで一番』と新聞でコメントしていたからいい選手なんやろうと」

──大木監督の評価なら信用に値すると思われましたか?

「いや、ほぼ面識はない。評論家の言うことは信用せんが、現場の意見は尊重する。大木はさまざまなクラブで指導し、オッカン(岡田武史)と一緒に代表でも仕事をしている。それだけの見識を持つ人物が高い評価を与えるなら、相応の選手ということでしょ」

──どんな心持ちで試合をご覧になっていましたか?

「自分の記録を破ってほしいとも守りたいとも思わない。そもそも30年以上、俺自身がそれを意識して生きてこなかったから。ただ、プレーを見たいから試合に出してくれ。それだけ」

──別段、たいした記録ではないと?

「知らなかったんですよ、記録の存在を。2008年、香川(真司/ボルシア・ドルトムント)が19歳で代表に初召集されたときかな。メディアの報道によって自分が最年少記録を保持し、30年以上破られていないと知らされた。自慢できたのに損したなぁ(笑)。俺の30年間を返してくれと思ったね」

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