酒井高徳インタビュー ~ドイツで花開いた才能~(前編)

2013年01月16日(Wed)7時51分配信

text by 了戒美子 photo Ryota Harada
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代表とクラブ。求められるものの違い

――海外移籍は自分1人で決断したのですか?

酒井 いえ、ずっと前から、代理人とプランを立てていたんです。まず、Jに入って3、4年は日本でやるとして、1年目は頑張って試合に出る。2年目は試合に出るのは前提でどこまでやれるか。で、3年目はしっかり結果を残して海外に行けるようにする。A代表選出や五輪に出る、とかもその中で加えていきました。代理人もそのプランで動いてくれたんです。

 オファーを待っているだけじゃなく、自分のプレー集を作って売り込んでもくれました。Jリーグでプレーしているだけじゃ、A代表でもないと欧州の人は見てもくれないので。シュツットガルトもオレのプレー集を見たのがきっかけで、オファーしてくれたんです。直接オレの試合を関係者が見に来たのは、移籍が決まる直前とか決まってからだったと思います。それまでは何もなかったんです。

――自分から動いてみるものですね。

酒井 正直言うと、どこでも良いと言えばどこでも良かったんですよ。「プロとして、最低でも2部くらいのレベルのチームに行けたら」とは思っていましたけど。実はチェゼーナから話も来ていて進めようとしたのですが、2011年の日本のシーズンが終わった途端にシュツットガルトからオファーが来て、「ええっ?!」ってことになったんです。思いもしないことでしたね。

――突然のオファーだったわけですね。にもかかわらず、シュツットガルトでは加入していきなりチャンスをつかみました。両サイドバックをこなして、日本にいるときより守備力が向上していると思いませんか?

酒井 うーん。それは何目線かっていうのによりますよね? 日本人目線なのか、ドイツ人目線なのか。Jリーグは日本代表とかの守り方が理想とされるけれど、こっちはこっちの守り方があります。それに、ドイツでは日本の守備の仕方があまり評価が良くないというか、好まれていないんです。例えばディレイ(相手の攻撃を遅れさせる守備)させる感じとか。

 特にシュツットガルトではより前に前に、人に人にっていうのを求められますから、日本的な守り方ではダメなんです。日本では食いつきすぎちゃうと簡単に裏を取られるという考え方をすることが多いので、まずちゃんとブロックを組む、となりますよね。その違いに適応させていくのは難しいと感じています。ドイツでやっていることを日本でやろうとすると上手くいかないことが多いので。

 五輪世代でも、試合に出られなかったのはそういうところじゃないかなとも思っています。でも、日本代表だと本田(圭佑)さんとか(内田)篤人くんも(長友)佑都くんも川島(英嗣)さんも、代表に合わせた、代表で求められているサッカーをすることができて、すごいと思う。自分もそういう風になりたいんですよ。

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