吉田麻也が語る「激闘の軌跡」 ~アジアカップで得た収穫と課題~(前編)

2013年01月30日(水)8時28分配信

text by 中田徹 photo Kenzaburo Matsuoka
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経験豊富な選手がチームをまとめてくれた

――ザッケローニ監督は「特にヨルダン戦の引き分けからシリア戦にかけて、特に経験豊富な選手がリーダーシップをとってチームをよくまとめてくれた」と話しています。

「試合後すぐに選手間ミーティングをしました。そこではキャプテンの長谷部さん、遠藤さん、川島さん、松井さん、長友さんがしゃべったのかな。経験のある選手たちは、これじゃだめだというのがわかっていた。それで1回話し合って、『これは違うぞ。お客さんじゃないんだから、俺らでちゃんと作り上げていかないと。だからもっとやらないと』とか、遠藤さんは『代表の誇りを持って戦え』とか言ってました。

 僕も実質的に初代表ですからミーティングをやる前までは『こんな感じで代表チームって進むのかな!? いや、違うだろうな……。こんな緩かったら勝てないよな。でもどうなんだろう。わかんねえな』っていう状態でした。たぶん、ほかの若い選手もそうだったと思います。でもミーティングをやって選手全員に責任感が出たと思う。それまでフワっとしたチームの雰囲気が『これでよかったと思っちゃいけないんだ。俺は間違っていなかった。やっぱそうだ』とシュッと同じ方向になった」

――シリア、サウジアラビアを下して、決勝トーナメント進出。準々決勝は地元カタールが相手でした。そこで吉田選手が退場。すぐに失点し日本が苦境に陥った末の逆転勝利だった。

「申し訳なくってロッカーの中でも(モニターで)試合を見てられませんでした。どきどきしてましたもの。伊野波くんが決めたときは言葉にならない言葉を発したと思います。叫んだのか悲鳴なのかよくわかりませんけど。『いのはー』って、最高でした。

 マークしたセバスチャンに関してはロングボール対策をしていたのですが、最初うまくいかなかったら落下地点が読めなくなってしまった。これは僕の単なる能力不足です(苦笑)。さらにふだんオランダでダービースターという重いボールを使っているので、大会使用球である軽いボールは思った以上に飛んできてかぶったのもあった。あと飛んでセバスチャンに触ったらほぼファールになっていた。オランダじゃ触ってもファールにならないけれど、それで僕もこんがらがってしまった。最後のほうはいかに触らず勝つか意識していて。でも、それは難しいですからね」

――それから韓国との準決勝。吉田選手はサスペンドでしたが、試合はPK戦で決着がつきました。

「監督、よく(試合でPKを止められた)本田さんを一番にもって来ましたね。どこに蹴るのかなってどきどきしました。そういうのもちょっとずつちょっとずつ歯車が噛み合って優勝に向かっていたんじゃないですか」

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