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編集日記 11年前

モウリーニョが語るチーム内の軋轢とバルセロナ

text by 植田路生 photo by Kazuhito Yamada

モネがマドリーでバルサがピカソ?!

 さて、モウリーニョは今、世界で最も美しいフットボールと言われているバルセロナについてどう思っているんでしょうか? 彼は当然のことですが、「レアルこそが魅力的で、あれ以上に美しさに溢れるスタイルがあることを、私に確信させる人間は世界にいまだ存在しない」と語っています。

 さらにこんな発言もしています。

――結果に重きを置かずに、スペクタクルの面だけに興味を持つことには意味がないと言いたいのですか?

モウリーニョ「そうだ。コンセプトに対しての懐疑がある。君はピカソとモネではどっちかな?」

――モネです。

モウリーニョ「私もそうだ。だがピカソも凄いぞ! ただし金があっても買うことはないが」

――本気ですか。小品でも買わないということですか?

モウリーニョ「(笑いながら)ノン、アミーゴ。もし私が自分の居間に飾る代表作を買うとしたら、それはモネになるということだ。だがそれに対して多くの人間が、『お前の気はたしかか、モネなんかやめてピカソを買え』と言う。その意見は正しいのか?」


ジョゼ・モウリーニョ【写真:山田一仁】

 モウリーニョはマドリーをモネ、バルセロナをピカソに例えています。でも、このピカソって、一体いつの時代のピカソなんでしょうか? 「青の時代」「キュビズム時代」「シュルレアリスム時代」など、ピカソは年を取るごとに作風が変わっていった画家ですが、果たしてモウリーニョはどの時代を指してバルセロナに置き換えたのか。大変興味深いですね。

 そして、レアルはモネ、と。どうしてモネなんでしょうか? 僕は芸術についてはさっぱりなので、恐らくただ単にモネが好きなんだと邪推します。マネでもセザンヌでも、いいような気がしないでもないです(ピエト・モンドリアンだと多分違うんでしょうけど)。

 余談ですが、編集部の岡部がモネとマネの区別がつかないそうなので、「梅毒になったのがマネ」と適当に教えておきました(by 『オーシャンズ11』)。

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