香川はユナイテッドの攻撃に彩りをもたらす
2つ目はパスを出した後も立ち止まらず、ほとんどの場面でボールより前にポジションを取る、あるいはボール保持者を追い越しながらパスをもらう姿勢が強く見られたこと。しかし、流れの中でスペースが生じる場所を見極めて動き直すため、相手の守備にとっても対応が非常にしにくい状態になる。
ここに関して、これまで以上に効果的な動きをしていた印象だが、そこに味方が出そうとする光景はあまり見られなかったもの。香川の動きを周りが徐々に掴んで、意識するようになっているのではないか。
3つ目は守備の負担が軽く、攻撃に出て行きやすかったこと。特に後半途中までプレーした左サイドに関しては、攻撃時に中寄りのポジションを取っても、守備時はサイドを埋めなければいけない。
このノーリッジ戦でもそのタスクは変わらないが、チームが高い位置でボールを奪い、ディフェンスラインも自陣深くに押し込まれなかったことで、比較的高い位置をキープしながら、前に出て行くプレーを優先できていたのだ。
相手がより強豪になれば体力的にもバランス的にも左サイドから中に入っていきにくいかもしれない。とはいえ、守備やリスク管理をどう折り合いを付けながら、攻撃で機能できるかをはかる上での指標になったはずだ。
香川にとって理想のポジションはこの日の終盤の様な中央のトップ下だが、サイドからうまく中央に絡んでいく形を今後も取って行ければ、バレンシアやヤング、またウェルベックとも違ったスタイルでマンチェスター・ユナイテッドの攻撃に彩りをもたらすことができるはずだ。
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