香川が多くのチャンスに絡んだ理由
首位マンチェスター・ユナイテッドがノーリッジに4-0と大勝した試合。香川が“夢の劇場”で衝撃的な3得点を決め、アジア人として初めてプレミアリーグでハットトリックを達成した。
前半ロスタイムにバレンシアのクロスをファン・ペルシーが浮かせると、落ち際を右足アウトで正確に捉えて1点目。左サイドから中央のトップ下に移って迎えた76分、カウンターから抜け出したルーニーのパスに勢い良く走り込こみながら、最後は右足インサイドでゴールの隅にパスをする様な2点目を決める。
3ゴールを決めた香川真司【写真:山田一仁】
そして87分、バイタルエリアでウェルベック、ルーニーとつないたボールを縦に加速しながら受け、一気にディフェンスラインを破って、出て来たキーパーの頭上に浮かせて3点目のゴールネットを揺らした。
その後、大黒柱のルーニーが鮮やかなミドルシュートを決め勝利を締めくくったが、まさに“香川デー”と言ってよい活躍ぶりであり、仲間からも大いに祝福された。3得点とも見事だったが、それらを結びつけたのが90分間の精力的で質の高いプレーだ。
試合から消える時間も多かったこれまでと違い、44本のパスを成功させ、多くのチャンスに絡んでいた。つまりそれは味方から多くのパスを引き出せたことを意味するが、主な要因として3つのことがあげられる。
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