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Jリーグ 11年前

ムアントンユナイテッドに快勝した浦和レッズ。見えてきたチームの収穫と課題

text by 川岸和久 photo by Kenzaburo Matsuoka

この試合で得た収穫と課題

 この試合の最大の収穫は、スターティングイレブンを4人入れ替えて勝利したことだ。今後の過密日程を戦っていくことを考えると、大きな意味を持つ。また、興梠、那須、森脇がスタメンに名を連ね、関口、阪野も交代出場を果たした。新加入選手がこの早い時期からしっかりと出場機会を得ている点にも注目したい。ピンポイントで必要な人材の補強に成功したことが、結果として現れ始めていると言えるのではないだろうか。

 課題としては、攻撃の組立て方と集中力の欠如だろう。

 広州恒大とのACL初戦で、攻めている時のリスクマネジメントが重要であるという教訓を学んでいたはずのチームだったが、前線への不用意なパスを奪われるシーンからカウンターを食らう場面が何度も見られた。メンバーの入れ替えによるものであるとの見方もできるが、試合の最終盤は、守備への切り替えも遅かった。

 ムアントン・ユナイテッドの消極的なゲーム運びが各選手の緊張を奪ってしまったという見方もできるが、6試合でのリーグ戦ということを考えると、この1点がグループリーグ突破に影響する可能性もある。

「チームとして戦っているのでやっぱりああいう単純なミスは減らしていきたい。中国とか韓国のチームが相手になるとああいうのが失点にそのままつながると思うので、集中を高めて質のいい回しをしたい」と永田が言うように、最後まで集中を切らさずに、1点を大事にして試合を終われせなければいけない。

 ただそれでも、浦和はこれで公式戦3連勝となった。はっきりとした課題が見えながらも勝利を重ねられているところに、今季の浦和は違うぞ、という力強さが感じられる。ACLでは緒戦で躓いた浦和だが、リバウンドメンタリティを示し、アジアで戦えるパフォーマンスを見せた。結果が出ている間に速やかに課題を解消していければ、高みへ向けて歩み始めた浦和の快進撃はしばらく続きそうだ。

【了】

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