【名波浩が徹底分析】何故、遠藤と長谷部は不動の存在なのか?(後編)

ザックジャパンで不動の存在となっている、遠藤保仁と長谷部誠のボランチコンビ。2010年10月のチーム結成以降、ボランチのポジションは無風状態が続く。彼らが何故不動の存在になっているのか、名波浩が徹底分析する。

2013年03月20日(Wed)9時18分配信

text by 北健一郎 photo Kazuhito Yamada
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【前編はこちらから】 | 【サッカー批評issue59】掲載

欧州遠征で見えた遠藤と長谷部の課題

 ザックジャパンがこれまで戦ってきたのは、ほとんどが実力的に同等か格下のアジアのチームばかりだ。自分たちよりも強い相手に対して、ボールを持たれたり、押し込まれたりするシーンはほとんどなかった。日本にとって一つの指標となったのが、10月の欧州遠征のフランス戦とブラジル戦だ。フランス戦を迎えるにあたって、大きなトピックとなっていたのが長谷部の「試合勘問題」だった。

 所属チームのヴォルフスブルグでマガト監督(10月25日に解任)に干されたことで、ブンデスリーガではベンチにすら入れない状態だった。ザッケローニ監督は不安要素として「所属チームで試合に出ていない選手がいる」と繰り返し語っていたことから、長谷部ではなく細貝萌が先発するという予想もあった。

 しかし、フタを空けてみればフランス戦のスタメンは不動のコンビだった。ザッケローニ監督としても、2年間積み上げてきた自分たちのサッカーでぶつかっておきたい、という気持ちが強かったのだろう。

 強豪相手に遠藤と長谷部のコンビがどこまで戦えるのか――。

 結果から言えば、日本は中盤を組み立てることができず、守備面でも押し込まれて苦しい展開を強いられた。特に、長谷部のパフォーマンスは試合勘のなさを裏付けるものになってしまった。


名波浩氏【写真:編集部】

 試合後に「自分の出来としては細かいところでのパスミスとか、フィーリングの部分でちょっと違うなと感じたし、そういう中では(試合勘がないと)言われても仕方がないのかなと思う」と語ったように、普段の長谷部ではありえないミスもあった。

 名波氏はフランス戦のパフォーマンスをどう見たのだろうか。

「まず、サンドニのピッチではボールコントロールはすごく難しい。上が粘土状のように柔らかくて、下がコンクリートのようにカチカチだから、めくれたらアウト。これは実際にプレーした人じゃなきゃわからないと思う。11年前に僕たちが0-5で負けた後、1ヶ月後にポルトガルも0-4で負けてる。その試合もフランスにいいように回されていたんだから。

 ただ、そういった部分を抜きにしても、フランス戦の長谷部はオンザボールのミスだけじゃなく、オフザボールでのミスが多かったですね。立ち位置が悪かったり、消えちゃったり、ふだん予測できているはずができていなかったり。全然走れていないとかじゃない……。ちょっとした、本当にちょっとした感覚の違いなんだけど、そこが“試合勘のなさ”というところなのかなと」

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