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FA杯で香川を起用しなかったファーガソンの戦術とは?

1日のFA杯6回戦、チェルシー対マンチェスター・ユナイテッドの一戦は、バのスーパーゴールでチェルシーが1-0とユナイテッドを下した。香川真司は点が欲しい場面でもピッチへ投入されなかった。その理由はファーガソンが選択した戦術によるものだ。

text by 斎藤史隆 photo by Kazuhito Yamada

ファーガソン「チェルシーの脅威は全くなかった」

 強豪対決の明暗を分けたのは見事なゴールだった。

 1日に行われたFA杯6回戦の再試合、チェルシー対マンチェスター・ユナイテッドは両チームが中一日で迎えたこともあり、低調な内容になったが、勝負は一見の価値があるゴールで決まった。

デンババ
貴重なゴールを決めたデンバ・バ【写真:山田一仁】

 一瞬のプレーだった。こう着状態で迎えた49分、チェルシーはマタが浮き球のパスをユナイテッドの最終ラインの裏へ。走り込んだバが右足を合わせると、見事なボレーシュートがゴール左に決まった。

「試合前、デンバ・バについて話をしておいた。ニューカッスルに所属していた時、同じようなゴールを決められていたから」。ファーガソン監督は昨年1月、ニューカッスルに0-3で敗れた一戦で、バに決められたゴールに言及したが、肝心の選手は十分に理解していなかったようだ。

 連戦であったため、両チームは選手を大幅に入れ替えてきた。ユナイテッドも香川真司らサンダーランド戦から先発メンバーを7選手変更。ファーガソン監督が「選手を新鮮な状態にしておく」と再三話していることを考えれば、想定内のメンバーだった。

 しかし、特に相手陣内に入ってからのパスミスが多く、攻撃のリズムをつかめなかった。敗戦を振り返るファーガソン監督も率直だった。「幸運にも2点目を許さなかったが、得点できるとは思えなかった。前半は十分に余裕があった。チェルシーの脅威は全くなかったが、ゴールが流れを変えた」

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