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プレミア記録を逃したマンU。アンデルソン投入に見るファーガソンの本気度

22日、マンチェスター・ユナイテッドはアーセナルとの一戦で引き分けた。優勝が既に決まっているこの試合のポイントはファン・ペルシーの古巣アーセナルのサポーターがかつてのエースをどう迎えるのか。そして、ユナイテッドがプレミアリーグ記録に向けて前進できるかだった。


text by 斎藤史隆 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

ファン・ペルシーが古巣相手にゴール

 22日にプレミアリーグの優勝を決めていたマンチェスター・ユナイテッド。王者にとって28日のアーセナル戦は消化試合だったこともあり、試合前の関心はファン・ペルシーに集まった。

 オランダ代表は昨年8月、「とにかく優勝を経験したい」という言葉とともにアーセナルを退団し、ユナイテッドへ移籍。約8カ月後、自身の夢を実現させて、古巣のエミレーツ・スタジアムに戻ってきた。果たしてアーセナル・サポーターはどう反応するのか。

 アーセナル・イレブンが優勝を祝福する形でユナイテッドの選手をピッチへ迎え入れると、少しのブーイング。さらにファン・ペルシーがボールに触ると、それ以上のブーイング。よくあることであるが、サッカーファンによって「忘却」という言葉は受け入れがたいことなのであろう。

 一方、肝心の試合もユナイテッドは「勝利の二日酔い」状態に陥っていたようであった。ファーガソン監督は「優勝決定後、激しい練習をしたのは2日間」で臨んでいたが、万全でないことは開始2分で明らかになった。ファン・ペルシーが中盤でパスミス。ボールを奪ったアーセナルはロシツキーから前方へスルーパスを流した。ウォルコットはオフサイドだったが、副審の旗は上がることなく、そのまま持ち込んであっさりと先制した。

 その後もユナイテッドはエンジンがかからない。32分には象徴的な場面があった。自陣でバレンシアが簡単にボールを奪われ、アーセナルがゴール前に迫った。幸いにもポドルスキのシュートは決まらなかったが、普通ではあり得ないプレーだった。しかし、警告数だけが増える中、このころを境にユナイテッドが本来のリズムを取り戻したのも事実だった。

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