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絶望的な点差。バルサは不可能を可能にできるか?

text by 植田路生 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

メッシのコンディションが勝負を大きく左右する

メッシのコンディションが勝負を大きく左右する
イニエスタからも目が離せない【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 今のバルセロナは、メッシを中心とし、彼の能力を最大限引き出すためのチーム構成になっている。コンディションが戻っているなら、彼にすべてを託すべきだろう。

 3トップはセンターにビジャ、右にメッシ、左にペドロ。ビジャがセンターフォワードとして深みをつくり、ペドロもラインと駆け引きすることでディフェンスラインを引き下げたい。空いたスペースをメッシが使う黄金パターンだ。

 1stレグではシュバインシュタイガーがマンマークに近い形でメッシを潰してきたが、メッシが万全の状態であれば多少自由に動けるだろう。そこでイニエスタやチャビが積極的に飛び出し、バイエルン守備陣を撹乱したい。

 もしメッシのコンディションが戻らないようなら、思い切ってベンチに置いてしまってもいいだろう。今の“メッシ依存”の高いバルサだと、1stレグのような出来では、チーム全体が停滞してしまう。

 不幸中の幸いか、イニエスタの状態は非常にいい。彼を前線に上げ、一発のパスで局面を打開できるセスクを中盤で使う。ティキタカは初戦よりは精度が上がり、自分たちのリズムで試合を進めることは出来るだろう。

 累積警告によりジョルディ・アルバが出場停止なのは大きな痛手だが、これで思い切ってダニエウ・アウベス、ピケ、バルトラ(あるいはアドリアーノかソング)という3バックとし、中盤の人数を増やす超攻撃型の布陣を組むことも考えられる。

 守備に不安は残るが、4点差を追いつくためにはこれくらいの大胆策もそこまで非現実的ではない。

 後は自分たちを信じて、「早く追いつこう」と気負い過ぎず、カンプ・ノウで“いつものバルサ”を出し切れるかどうか。そこに少しの運が加われば、もしかすると、不可能が可能になるかもしれない。

【了】

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