中村俊輔は銀と桂馬を足したような選手!? サッカーと将棋の意外な共通点

2013年05月03日(金)10時06分配信

text by いしかわ ごう photo Go Ishikawa
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将棋をヒントにサッカーの戦術が生まれることはあるか!?

 攻守の局面における捉え方もよく似ている。現代サッカーの主流は4バックであり、サイドアタックが有効な攻撃手段であるのと同じように、現代将棋でも端攻めの重要性は増している。香車と飛車が連動して攻撃の主役となる崩しには、現代サッカーにおけるサイドバックがゲームを組み立てていくイメージともよく重なる。

 守りの形も同様である。サッカーにおけるフォーメーションの3バックや4バックというのは、将棋でいえば金と銀の組み合わせに近い。

 例えばサッカーでは4バックのサイドバックが攻めにあがったときは、反対側のサイドバックが自陣に残る3バック状態でカウンターに備えておくのがセオリーだが、このリスクマネジメントの考えは、将棋の「玉の守りは金銀3枚」という有名な格言が当てはまると言えるだろう。

 守備の構造でいえば、王様を中央に金銀を前に歩が一列に並ぶ”中住居“という将棋の囲いがある。これはスペースと人の配置を利用したゾーンディフェンスのような守り方とよく似ている。一見、陣地にスペースがあるように見えるが、駒の配置とのバランスを保つことで王様が容易に詰まないようになっているのだ。相手の位置とスペースをうまく攻略していく感覚は、サッカーでも将棋でも必要なのである。

 サッカーと将棋。

 この親和性のある両者が今後どういった展開をしていくのかはわからないが、将棋を知ることでサッカーもより面白くなることは間違いないだろう。「頭を使って先を読む力や、攻撃のときに構想を練る力、あるいは瞬間瞬間の判断というのは、サッカーと将棋も似ているかもしれないですね」と佐藤和俊五段は話す。

 サッカーの戦術をヒントに将棋の戦法を生んだ棋士がいたように、将棋の戦法をヒントにサッカーのオリジナル戦術を生み出す日本人監督が現れる……ひょっとしたらそんな日が来るかもしれない。

【了】

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