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Jリーグ 11年前

今季はサプライズの可能性も 白熱する昇格プレーオフ争いでJ1未経験・岡山と栃木は生き残れるか?

text by 編集部 photo by Kenzaburo Matsuoka

安定した3バックと頼れるストライカーの存在

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影山雅永監督【写真:松岡健三郎】

 昨季の昇格プレーオフで、クラブや地域の後押しをまざまざと見せつけて昇格したのは大分トリニータだった。昇格はチーム力だけで成し遂げられるものではない。岡山の今季の観客動員はここまで平均6975人。クラブや地域のバックアップ体制も着々と進む。

 そんなクラブ力に下支えされた影山体制4年目の充実ぶりも確かだ。12節栃木戦では、前半から3バック中央の竹田忠嗣が、両ワイドへ小気味のよいミドルパスを何本も通して攻撃の起点になっていた。

 相手の栃木が同サイドに寄せて素早いプレッシングから奪い切ろうとした瞬間、岡山がワンタッチのパス交換で巧みにプレスを交わして局面をすり抜ける、そんな場面が幾度とあった。

 試合後に影山監督が「前半は我々がやろうとしていることがうまくできていた」というように、ビルドアップからのパスの流れが非常にスムーズ。岡山関係者からは「それもこれもイリヤンのおかげ」という声を聞く。

 イリヤンというのは、かつて広島や千葉で活躍した元ブルガリア代表のCB、イリヤン・ストヤノフのこと。11年に在籍し、加入当初は経験に乏しい選手たちに「もっと落ち着いてプレーしろ!」と頭を抱えていたというが、今や3バックにおけるボールの動かし方をチームに浸透させた立役者的存在だ。

 チームとして着々と構築してきたものがあり、今季はその上で、最後を仕上げるストライカー荒田がここまで7ゴールと好調。昨季18ゴールを挙げながら新潟へレンタルバックした川又堅碁の穴を埋める活躍である。現在失点数10はリーグ4番目の少なさで守備力は計算できる。フィニッシュの局面でさらに迫力が出てくればプレーオフ圏内に滑り込むだろう。

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