フットボールチャンネル

Jリーグ 11年前

今季はサプライズの可能性も 白熱する昇格プレーオフ争いでJ1未経験・岡山と栃木は生き残れるか?

text by 編集部 photo by Kenzaburo Matsuoka

チームを支えるジョーカー、サビアと三都主

 松田監督が「サブが勝負を決めるチームは一番ややこしい、やりにくいチーム」と話すように、途中出場ながら、エゴイストでフィニッシャーとして研ぎ澄まされてきた感のあるサビアはここまで6ゴール、そして、三都主アレサンドロは試合終盤でチームに絶妙なリズムの変化をもたらす。

 三都主は7節富山戦で劇的なアディショナル弾を叩き込み、岡山戦では86分のサビアのゴールにつながる巧みなクロスを演出するなど、途中出場でも勝負所を見極めたプレーぶりが光る。ビルドアップの拙さは課題だが、このチームは4-4-2の堅調な守備ベースのスタイルだけに大崩れはしない。

 神戸、ガンバ大阪の2強を見据えて戦えれば昇格プレーオフは手中に収められるのではないだろうか。

 あえてもう一チーム挙げるならば、松本山雅か。反町康治監督が「Jの40チームでもっとも過酷なトレーニングを積んできた」という言葉に嘘はなく、走力はJ2で群を抜く。攻守の切り替え、特に「攻」への飛び出しが鋭く、2シャドーの船山貴之と北井佑季がバイタルエリアで前を向いたときが脅威。

 現状調子が上がらないようだが、指揮官が虎視眈々と策を練っているだろう。そして松本山雅の動員力は言わずもがな。現時点の平均10534人は、ガンバ大阪、札幌に次いで3番手。その数字が何よりの可能性を感じさせる。

【了】

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top