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長友佑都 11年前

復帰戦でフル稼働、指揮官も太鼓判 ますます深まる長友佑都・長期離脱の謎

text by 神尾光臣 photo by Ryota Harada

故障前と遜色のないプレー。順調な復調か

 プレーのキレ自体も悪くなってはいなかった。基本的には縦の上下動のみで動くペレイラと比較すると、ウイングバックとしては良く中盤のパスに絡めて、高い位置が取れている。

 右足でカットインしての仕掛けが多く、 縦を破って左足でクロスを狙うシーンは少なかったが、これは故障する前から続けている駆け引きの形だ。ところどころ周囲の呼吸と合わず、ダッシュが遅れる場面があったものの、試合勘の問題でさすがに仕方がないところだろう。

 そして後半、息の合ったカッサーノが投入されると長友の姿勢はさらにアグレッシブなものになる。ボールを預けると、リターンを信じて大胆にオープンスペースへ飛び出し、再びボールを受けて仕掛けた。全体のキープ力が増した事をいいことに、ポジションチェンジで前線に残って、スルーパスやクロスを伺うシーンも増えてくる。

 攻撃参加中に味方がボールを奪われれば、急旋回で高い位置からボールを奪い返しに出るという得意のプレーも、この後半に飛び出している。プレーの間に、自らの状態に対して手応えを掴んでいたことは想像に難くない。

 結局長友は、長期離脱とはなんだったのかと思えるほどのハツラツとした動きで90分間を走破した。ただいきなりのこのリズム、激しいコンタクトやダッシュの繰り返し、急激なターンなど負担も多かった中、試合後の膝の状態などはどうだったのだろうか。

 もっとも試合後、彼は取材ゾーンには姿を見せなかった。その辺りの詳しい話は機会を改め、落ち着いて伺うことにし、とりあえずはこの復調ペースが継続することに期待したい。

【了】

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