【FC東京・ビッグクラブへの指標】味スタがカンプ・ノウになる日は来るか?(前編)

FC東京の昨季の1試合平均観客動員は約2万4000人。Jリーグの中では上位とはいえ、首都・東京のクラブとしては物足りない数字だ。ビッグクラブになるためにクリアすべき課題だが、どのような打開策・ビジョンを持っているのか。社長ほかクラブのキーマンに話を聞いた。

2013年05月17日(Fri)17時26分配信

text by 後藤勝 photo Masaru Goto
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【後編はこちらから】 | 【フットボールサミット第11回】掲載

阿久根社長が語る社員の経費不正流用

阿久根謙司社長
「サポーターを裏切ることはできない」と語る阿久根謙司社長。【写真:後藤勝】

 2012年度の期末を迎えた1月31日、FC東京は、過去8年間に渡り不正に経理処理を行い、約2300万円を横領していた経理担当部長を解任、懲戒解雇した旨を発表した。

 その記者会見から4日後、阿久根謙司社長が改めてインタビューに応え、この不祥事についての考えを述べた。
「非常に重く受け止めています。クラブの責任、私の管理責任が問われます。辞めて責任を取るのではなく、改善されるまで仕事をすることで責任を果たしたいと思います」

 決裁対象の範囲を拡げ、経理担当部長の上職位者にあたる常務取締役に決裁権限を変更し、阿久根社長の抜き打ちも含めたダブルチェック、トリプルチェックを実施する再発防止策を打ち出した。また、専門職である経理は2~3年で替える性質のものではないが、前任者の私的流用は14年という長い在任期間が生んだ面もあると考え、人事のローテーションも加速させることとした。

 ローテーションのサイクルは、実は阿久根社長就任以降、既に短くしている。大金直樹常務と荻原慶一総務部長の意向で、複数のスタッフがそれまでと異なる業務に配置転換しているのだ。膿を出しきり改革を進めることで、災いを福に変えることができるだろうか。

 長年課題となっていた耐震補強工事に取り組み、税金投入を批判されながらも一定の成果を上げている三鷹市の清原慶子市長からは「綱紀粛正してこれまで以上にいいクラブになる機会と捉えて頑張ってください」と励まされたという。

「負けたときにも『おれたちはいつでも来るから心配するな』とファン、サポーターが励ましてくれる。そんな彼らのなかには、昼食代を切り詰めてSOCIO(年間チケット)の代金とビッグフレームス会員となるクラブサポートメンバー10口に稼ぎを投じてくれる人たちがいます。そのような方々を裏切ることはできません。早く処分して責任と対策を表明することが最低限必要なことだと思い、1月31日に公表しました」

 阿久根社長はこう述べた。自身は3ヶ月間報酬の二割を返上する。それで禊(みそぎ)が済むわけではないが、クラブライセンス制度元年にあたり、謙虚に身を引き締める機会となっていることは間違いない。

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