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Jリーグ 11年前

まさかの4連敗。名古屋はなぜ勝てないのか? ストイコビッチ体制が迎えた限界

text by 西川結城 photo by Kenzaburo Matsuoka

完敗ではないが粘り強さには物足りなさも

 しかし、今の名古屋にそのエクスキューズは通用しない。今季は永井謙佑(スタンダール・リエージュ)や金崎夢生(ニュルンベルグ)といったアタッカーが移籍でチームを去ったが、それでもJ1の中でも戦力の充実度は明らかに上位レベル。

 ましてや今季は3シーズンぶりにアジアの舞台に立つことなく、国内の戦いに専念できる状況にあるのだ。つまり、今の不振、低迷に外的要因を求めることは難しい。問題は、自分たち自身の中に抱えていると言えるだろう。

 決して、相手に完敗を喫している試合ばかりではない。今季で言えば、第2節の浦和戦はまだ今ほどチームのメンバーや起用法などが定まっておらず、全く良い所なく敗れてしまった。それでもそれ以降の試合では、完全に相手に屈するような展開や内容はほぼなかった。

 ただ、逆に言えば、ここ数年の名古屋が誇ってきた勝負強さや粘り強さといったものも消失している。この4連敗も、川崎F、仙台、横浜FM、そして鹿島相手に善戦を繰り広げていたからこそ、勝てなかったという事実が余計に痛々しいのである。

 チームは、一人の選手の帰還を待ちわびていた。ジョシュア・ケネディ。言わずと知れた、10、11年と2年連続J1得点王に輝いた、オーストラリア代表FWである。昨季から続く腰の負傷で今季も出遅れ、ようやく4月下旬ごろになって復帰を果たした。

 誰もが、チームの攻撃の中心である彼が戻って来れば、成績は上向きになると思っていた。しかし、残念ながらその願いは現実とはならなかった。

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