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劣勢だったバイエルン。CL決勝でドルトムントの猛攻を押し返せた要因とは?【CL決勝徹底分析】

text by 北健一郎 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

試合を決めたロッベリー

 加えて、両サイドバックのラームやアラバが積極的な攻撃参加によって援護射撃。75分の右サイドからのクロスをファーでミュラーが落とし、走り込んだ左サイドバックのアラバがシュートを打ったシーンは象徴的だろう。

 決勝ゴールはバイエルンが誇る最強コンビ“ロッベリー”から生まれる。ロングボールをリベリーがDFを引きつけて足の裏で落とし、後ろから回り込んだロッベンがDF2人の間をワンタッチで突破してGKとの1対1を迎える。

この試合、ロッベンは何度もGKヴァイデンフェラーに止められてきたが、ファーを狙うと見せかけて蹴る瞬間に体をひねってニアに打つ、技ありのシュートでゴールネットを揺らした。

 2-1――。バイエルンが土壇場で勝ち越して、そのままタイムアップ。

 バイエルンとしては決して満足のいく内容ではなかっただろう。ドルトムントの猛烈なプレッシングに苦しめられ、ショートカウンターを食らうことも何度もあった。それでも、最終的に勝ち切ったところに今シーズンのバイエルの強さが表れている。

 来シーズン、バイエルにはグアルディオラ新監督の就任が決まっている。頂点を極めたチームは、バルサスタイルを築き上げた指揮官との融合でどんなチームになるのか。欧州王者となったバイエルンから目が離せない。

【了】

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