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“J2”という宿命を背負う今野泰幸の覚悟。コンフェデで限界突破できるか?

ザックジャパンの不動のレギュラーである今野泰幸。だが、J2そしてガンバでボランチでプレーしていることもあり、危機感を抱いていた。“J2”という宿命を背負いながら、代表のセンターバックは何を思うのか?

text by 下薗昌記 photo by Asuka Kudo / Football Channel

代表落選の危機感を抱いていた今野

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今野泰幸【写真:工藤明日香(フットボールチャンネル)】

 日本にとって、来年の本大会でも遭遇するのが簡単ではない強豪国と同組となったコンフェデレーションズカップ。世界最速でワールドカップ出場を決めたチームの現在地が問われる大舞台だが、勝負の鍵を握るのが今野泰幸だ。

 最終予選に向けたメンバー発表を翌日に控えた22日、ザックジャパン不動のセンターバックは、今まで感じた事がない緊張を感じていた。

「今までは代表の発表とか気にしていなかったけど、何か緊張する。今回は外れるかもしれないし、何が起こるか分からない」(今野)。

 チームや自身のパフォーマンスについて、常に率直な思いを口にする背番号15だけに、現実的にはあり得ない代表落選への危機感は、率直な思いだった。

 もっとも、今野が危機感を覚えても無理がないのが、G大阪における昨年からのパフォーマンスである。昨季はリーグワースト2の失点数でクラブ史上初の降格。「J2でも自分次第で成長できる」と自身にとって2度目のJ2を戦う今季も、開幕からの2試合はセンターバックとして岩下敬輔とコンビを組んだが、基本的に主戦場はボランチである。

 J2というカテゴリーに所属していることに加えて、日本代表とは異なるポジションでプレーしている現状に、今野が危機感を覚えるのはある意味で当然だった。

「攻撃の選手にとってはJ2でも十分に鍛えられますよ」

 昨年末J1からのオファーを受けながら、あえてチーム残留を決めた倉田秋が語るように、球際の激しさと人海戦術を引いて守るチームも珍しくないJ2の守備陣をこじ開けるのは絶好の成長機会。香川真司や柿谷曜一朗らがJ2でも自らを磨き上げていたのは格好の例である。

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