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【西野朗がイタリア戦を徹底分析】日本の攻撃が鋭かった理由と逆転された要因「香川の輝きは別格」

text by 編集部 photo by Kenzaburo Matsuoka

なぜ逆転されてしまったのか?

――失点を防ぐことは出来たのでしょうか?

「イタリアの反撃は予想できることです。2点をとられた後、1点差に迫って迎えた後半。攻勢に出るのは当たり前で、選手たちもそれを頭ではわかっています。ただ、それを体現出来なかった。

 2点をとり、『このままでいいのかな』という楽観的な雰囲気でやってしまった。どう試合を進めるのか、戦術の捉え方がまずかった。イタリアはジョビンコを入れて、攻撃姿勢を打ち出し、選手全員が理解しました。日本もそこを感じ取って、はっきりとした戦術を(2-0)の時点で打ち出すべきでした」

――監督の采配についてはいかがでしょう? 選手交代で再び逆転するには至らず、あまり効果的には見えませんでした。

「こういう試合は難しいんです。逆転されたものの内容は悪くない。いいリズムを変えないために、今いる選手たちのリズムに期待して変えない。というケースの一方で、さらに攻撃力を増すために『変化を』と思う監督もいる。ザッケローニ監督は前者を選んだんでしょう。

 ただ、点をとりに行く場面でディフェンシブな選手を入れたり、少しタイミングが遅いな、とは感じます。それも今まで築き上げてきた『固定した強さ』に自信があるからでしょう。継続してきたことへの自信ですね」

【了】

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