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【西野朗がメキシコ戦を徹底分析】全てにおいて差があった。采配にも疑問符「ピッチ上にストライカーは残しておくべき」

text by 編集部 photo by Kenzaburo Matsuoka

いつも攻撃は人手不足

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本田も低い位置での仕事が多く前線の枚数が足りない【写真:松岡健三郎】

――メキシコと差があったという部分は?

「日本も技術力ありますよ。ただ、例えば日本はボールを足下でしっかり収める技術があります。メキシコはそれ以外にも自分たちが動きながらボールを動かす、そしてスペースを作る。相手を引き出す、混乱させるという動きが上手い。

 昔からメキシコは日本にとっていいモデルと言われてきましたが、まさにその通りで、ボールをしっかり動かしながら敵の弱点を突ける。今日はすべてにおいて負けていました。初戦のブラジル戦よりもダメージは大きいと思います」

――攻撃はいかがでしょうか? 日本の時間帯もありましたが……。

「たしかにそうです。ショートパスが効いている時間はありました。ただ、そこからがない。攻撃のポイントを作ってから、その最後の1/3の質。人手をかけて優位な状況を作ってのチャンスというのは少なかった。

 意欲や自信がないのか、(シュートを)打てばいいのにいなしてしまっている。ミドルを打つべきシーンはもっとありました。

 それと人手不足ですよね、攻撃のとき。だから怖さがない。本田がいつも下がってもらうので前線には前田一人。常にDF二人を背負って厳しい状況です。1点は遠藤が飛び出して優位を作ってのもの。こういうフリーランがもっと欲しい。メキシコはどんどん人が入っていった」

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