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ブラジル戦で攻守に不安を残したイタリア。無視できない“ピルロ依存”

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

守備とは反対に攻撃陣は好調

 自陣に引きこもって守り倒しながら、ワンチャンスを突くような試合運びは今のイタリアは出来ない。日本戦は彼らが進んでリトリートをしたわけではなく、プレスでビルドアップを寸断されラインを下げさせられたのだ。

 その分、後半にみせた攻撃力は好材料で、翌日のイタリアメディアもそのことについては賞賛していた。マッジョは果敢にマルセロの裏を取り、持ち味のヘディングシュートでクロスバーを強襲し、あわや3-3となるビッグチャンスに絡んでいる。

 また1-1となる同点ゴールを決めたジャッケリーニは、すっかり今大会のラッキーボーイといった印象だ。バロテッリにクサビのボールが入るや否や、すぐさま裏へ抜けたりボールを拾う動きを見せたりと、質の高い連動を見せている。このことがプランデッリ監督の信頼を呼んでいるのだろう。

 準決勝の相手はスペイン、あのEURO2012決勝の雪辱戦となる。バロテッリはSNSサイト上で「1年間心待ちにしてきた。復讐は良く冷ました上で食べる料理のようなものだ」と語って、盛り上げてくれている(編注:当の本人は負傷により欠場が発表された)。

 手持ちの武器でどれだけ彼らが対抗し、リベンジを果たせるかどうかに注目である。もっともそれには「準決勝には間に合わせるよう努力している(イタリア代表カステラッチ主任医師)」というピルロの復帰が絶対条件となりそうだが……。

【了】

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