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Jリーグ 11年前

京都・久保裕也がラストゲームに懸けた思い「勝ってスイスに行きたかった」

text by 後藤勝 photo by Kenzaburo Matsuoka

「J1に昇格したぞ、とあいつに伝えてやりたい」(駒井善成)

──ひざの状態は?

「完全じゃないですけど、やれる範囲で」

──今からいきなり向こうに行ってもできる?

「いやもう、やってみます」

──先週ホームは最後でしたが今日が最後ということで感慨は?

「最後にいいところを見せて終わりたかったんですけど、うまくいかなかったです」

──どんな気持ちなんですか。

「勝ちたかったっていうのはでかいですね。最後に、ほんまに勝って(スイスに)行きたかった」

──やり残したことは?

「後悔はないです。もっとやらなあかんな、という気持ちがあったくらいです」

──こみあげるものは。

「今日よりはこの前のホーム戦の方がありました。やってやろう、という気持ちはこの前の方が強かったかもしれないですね」

──今は次に向かって?

「そうですね」

 気持ちの整理はついているようだ。久保の眼は欧州を向いていた。

 京都サンガF.C.U-18で久保の一学年先輩にあたる駒井善成は後輩を思いやった。

「本当に勝って笑顔で送り出したかった。送ってあげたかったですけど、結果的に失点しちゃって。引き分けで、って形になったんですけど。それでもやっぱり、あいつは変わらず、今まで通り、一生懸命努力してプレーしていくだろうし。

 ぼくたちも日本でしっかりやって、この京都サンガF.C.がJ1に昇格したぞ、とあいつに伝えてやりたいと思います」

 高校生ながらA代表に選ばれ、J1出場を経験しないまま、J2から欧州1部のクラブへと移籍。日本サッカーの進度を測る貴重な存在である久保が、スイスでどのようなプレーを見せるか。楽しみで仕方がない。

【了】

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