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元伊代表・現パルマ監督ドナドーニが日本代表を分析「最も印象に残ったのは岡崎。長谷部は是非とも欲しい選手」

text by クリスティアーノ・ルイウ photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「采配に問題あり」は誰でも言える

――再び話を「VSイタリア」に戻して、改めてザックの采配に関して伺いたいのですが…

「いや、その質問はもうNGだよ(笑)。なぜなら、率直なところ私は他の選手たちを詳しくは知らないのだからね。采配とは、スタメンの選択はもちろんだが、それと同じように控えの選手たちの力量によるところが大きいのだからね。そうである以上、ベンチにいた彼らを知らない第3者の私にザックの采配を云々することはできない。

 この私に言えるのは、先ほども述べた通り、2-0になって以降の戦い方に関することのみ。仮に私が監督であれば、心持ち両サイドバックを下げては絞らせて、その上で、より守備に対する意識を高めるよう長谷部と遠藤に指示していただろう。ガードを下げた打ち合いだけがボクシングではないように、サッカーもまた同じなのだからね」

――仰るように、それが言わば常識とされるはずですが、にもかからずザックは攻めの姿勢を改めようとはしなかった。つまり、それでも勇敢であったと評価される一方で、やはり狡猾さに乏しく、あるべき駆け引きをしなかったわけですが、その監督ザックの意図をどう解釈されるのでしょうか?

「それが一国の代表である以上、負ければ厳しく批判されるのは当然のこと。だが、これもまた当然のことながら、批判するには明確な論証というものを欠くわけにはいかないはずだ。つまり、采配に問題ありというのは誰にだって言える。

 しかし、これはおそらく世界中の国々に共通するのだろうが、多くの場合においてメディアあるいは評論家というものは単に批判するだけに終わってしまう」

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