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元伊代表・現パルマ監督ドナドーニが日本代表を分析「最も印象に残ったのは岡崎。長谷部は是非とも欲しい選手」

text by クリスティアーノ・ルイウ photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

1試合で50点取ることが目的ではない

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長谷部誠【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

「要するに、“あの選手交代はあり得ない”と書くのならば、“AではなくBの選手を入れるべきであった。しかもそのタイミングは○○分ではなく、●●分に行われるべきだった。なぜなら…”というように、あくまでも具体的な案を示すべきだが、残念ながらそういう正しい批評というものは余りにも少ない。

 およそ皆無とさえ言えるのだろう。その意味で、この私はさっきも述べた通り肝心要の“控え選手の力量と性質”を知らないのだから、この場で“変えなかったザックの意図”について意見を述べる資格を持たないということになる。

 最初の交代が72分。これが遅すぎたのではないか、とは言えるが、それから先のことに言及できるだけの材料を私は持ち合わせていない。

 2-0になったのが前半33分。変えるには余りに速すぎる時間帯だったということもあるだろうし、流れに乗るチームを変えるというのはね、それこそ言うほど簡単じゃないんだよ。

 繰り返す。3-0になっていたらイタリアは完全に息の根を止められていた。とすれば、今この場で我々はまったく別のストーリーを話していたはずだ。とにかく、サッカーとはそういうものなんだよ(笑)。

 その上で、これまたもう一度だけ同じことを言わせてもらえれば、やはり大切なのは“駆け引き”。言い換えれば、“必要とあらば守備に徹する”、“耐え凌ぐ術を知る”、“敵の攻撃を被っても失点を被らない守備力を得る”というような感じになるのだろう。

 目的は1試合で50点を取ることじゃないのだから。さらに言えば、何も常に“美しく勝つ”必要などないのだからね」

【了】

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