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【松田浩の超分析】日本代表の守備はなぜ崩壊したのか? 上っ面だけが良かったザックジャパン

text by 鈴木康浩 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

失点後はさらにテンションを上げなくてはならない

 少し映像を進める。この失点の直後に、日本はまたも失点シーンを迎えてしまう。

――それでこの2分後に逆転ゴールを奪われます。イタリアにペナルティキックを献上してしまうシーンです。

「これは判定がかわいそうですね。ペナルティではないと思う。ただ、集中が必要な時間帯ですよ。さっきの失点後の5分以内でしょう?」

――2分後ですね。

「がんばりどころなんですよね。ネジを締めるというか。バクスターはハッスルという言葉を使っていて。力を注ぎ込むという感じですかね。『失点後の5分間はハッスルとしないといけない』と真面目な顔で言うから僕は笑っちゃったんだけど」

――テンションをあげる。ザッケローニ的に言えばインテンシティ。

「そういうことですね。それは守備の話だけでなく、躍動的にガッと攻めにいく、ということも含めて言っているんだけど」

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黒……日本代表
赤……イタリア代表
後半6分、日本がPKを与えたシーン。長谷部は良いポジションに戻ってきていた。

 ここで映像を見返す。

 日本はゴールキックのボールを奪われ、イタリアに右サイドからクロスを許して中央でバロテッリに起点をつくられている。バロテッリはワンタッチで味方にはたき、ジョビンコ(10)がシュートを放つ。対応した長谷部(17)の右腕にボールが当たり、審判が笛を吹いてペナルティスポットを指さす。長谷部が両手を広げて審判に詰め寄る。

「長谷部はいいところに戻ったよね。このとき、吉田がずっとマンツーマン気味にバロテッリについている。吉田はブラジル戦のときもネイマールやフッキにマンツーマン気味でついていた」

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