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【松田浩の超分析】日本代表の守備はなぜ崩壊したのか? 上っ面だけが良かったザックジャパン

text by 鈴木康浩 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

見かけの良さを気にしたサッカーだったのでは

――闘莉王がいたらやりそうですね。

「やるでしょうね。絶対に。はっきりしたプレーで、相手にこっちの気迫が伝わるようなプレーをする。この失点は本当にもったいない失点ですよ。安すぎる」

――ゴール中央の対応を指摘する声もありました。吉田の対応がまずかったにしろ、中央のカバーに誰も行っていない。バロテッリ(9)が中でフリーになっている。

「そうですね。それはやるべきですよね。ボールがここ(吉田)にあるのなら、僕のゾーンの考え方で言えば、ボールの位置、味方の位置に対して、今野(15)がここ、内田がここ、というように決まるから。ただ、彼らもゴールキックになると思っちゃったんじゃないですか?」

――パーセンテージで言えば吉田の圧倒的な個人のミスでしょうね。

「そうですね。まあ、中央の悪いポジションニングが生んだオウンゴールではありますけど、でも一番は吉田の対応でしょう」

――試合後に内田が「吉田には吉田の考え方がある」と擁護していたんですが、それは吉田の考え方としては、簡単にボールを切らないとか、そういうことなんでしょうかね。

「そうだと思いますよ。ただ開始5分ですよ。ノーリスクでいいと思うんですよ。吉田の対応にしろ、その前の本田の中途半端なクリアにしろ、ボールを大事にしようとするのはわかるけど、少しばかり恰好を気にしてサッカーをしている印象を受けるんです。

 コスメティック・フットボールというか、見かけが良いサッカー、でも実がないサッカー。コスメティック、つまり、化粧をとるととんでもないという。上っ面だけ、という意味です」

――コスメティック・フットボール。

「僕は(スチュワート)バクスターに言われたんです。こういうプレーが象徴しているんですけど、『そんなのは飯の種にはならない』と言っていました」

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