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【松田浩の超分析】日本代表の守備はなぜ崩壊したのか? 上っ面だけが良かったザックジャパン

text by 鈴木康浩 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

吉田だけがなぜかマンツーマンだった

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「石橋を叩いて渡るプレーを求めたい」【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 再度巻き戻して詳細に見返す。

「吉田はバロテッリを見ているでしょう? そうじゃなくて、バロテッリはある程度内田に任せて、ここ(ジョビンコ)を見ないといけない。もしここ(ジョビンコ)にクロスが通っていたら終わりでしょう? 吉田はやっぱり一人だけマンツーマンの印象があるんです。

 もしかすると、ザッケローニがそういうやり方なのかもしれないから間違いではないのかもしれない。それともザッケローニもこの対応は嫌だと感じているのかどうか。それとも、相手がバロテッリだからマンツーマンなのか。その辺りは僕にはわかりませんが」

――可能性はあるんですか? 最終ラインは基本的にゾーンで守りながら、一人だけマンツーマンのような。

「いや、それはないですね。それなら全員がマンツーマンでやらないと周りの人が対応できない。リベロがいるなら話は別だけど、リベロがいるわけでもない」

――吉田がマンツーマン気味なのはわかりますが、ブラジル戦やイタリア戦を見ていて、そのほかの選手たちの対応はマンツーマンに見えますか?

「うーん、どうですかねえ。ポーランドでブラジルと対戦したときの長友はフッキにマンツーマンでついていた印象がありました。中への絞りがあまりないように感じたので。それだけの個を持っている選手、ネイマールやフッキ、バロテッリといった選手たちに対応するときはこうなるのかもしれない。

 たとえば、最終ラインに味方が二人いるときは、いつも吉田がワントップのバロテッリをみて、それで今野はリベロ的に守るという形はありますよ。今野は空中戦では勝てないので。ただし、このシーンの対応でバロテッリにマークに付くのはどうかなと思います。

 バロテッリは内田に任せて、やはり、吉田はここ(ジョビンコ)を見るべきでした。後半開始直後に同点にされたときの軽率なプレーも含めて、吉田には最終ラインとして石橋を叩いて渡るプレー、そういうメンタリティをもう少し大事にしてほしいと感じます」

【了】

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サッカー批評 ISSUE59

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