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日本代表 11年前

遅れてきた青年、森重真人。その高いポテンシャルで日本代表の起爆剤になれるか?

text by 後藤勝 photo by Asuka Kudo / Football Channel

日本代表の起爆剤となれるか

 北京五輪にはひとつ忘れ物がある。対アメリカ戦の前半21分、ショートコーナーのあと、内田篤人から送られ、ゴール前を横切った絶好の、グラウンダーのクロスを、ファーでシュートし損なったのだ。森重はフリーで眼の前は無人だった。イレギュラーバウンドしたのか「ボールの方向が変わった」と、森重は言っていた。

 日本はセカンドハーフの立ち上がりに失点して0-1で敗れた。もし優勢だったファーストハーフに先制していれば、結果はちがったものになっていたかもしれない。

 日本は第二戦でナイジェリアに2-1で敗れてグループ敗退決定。「最後のところの精度という課題が浮き彫りになった」。

森重真人
はたして森重は起爆剤となれるか【写真:工藤明日香(フットボールチャンネル)】

 森重は大きな教訓を胸に刻んだ。

 東アジアカップ日本代表入りについての囲み取材で、森重は

「個人の差で勝った負けたという場面が世界大会になればなるほど出てきます」
「最後は個の能力」

 という発言を繰り返した。

 ワールドカップ本大会進出決定後の記者会見で本田圭佑が言っていたことは、北京五輪のときに既に痛感していたことだ。

 ひと足早く日本代表の中核となった北京五輪組につづき、森重がメンバー入りを果たしたということは、世界大会での苦い経験に対する反省と、そこから来る向上心が、さらにチームに加えられるということでもある。守備力を補い、勢いをもたらすことができるか。不安視される日本代表の起爆剤となることを期待したい。

【了】

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