ガンバで一時代を築きたい――。捲土重来を期す宇佐美貴史が語ったクラブへの熱き思い

2013年07月24日(Wed)17時17分配信

text by 下薗昌記 photo Ryota Harada
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ドイツで得た確かな成長

 その潜在能力と、本来描いているべき成長曲線を考えれば、もはや21歳の宇佐美に「天才」のフレーズを安売りするのは相応しくない。ただ、異国でもがき続けた日々は決して無駄ではなかったことを、ピッチ内外で体現し始めている。

 その一つが積極的なコミュニケーションだ。神戸戦の前半終了後には藤春廣輝に身振り手振りを交えて話をしたが「僕がクリアした際にもっとつなげるというアドバイスをもらった」(藤春)。

 さらに、日々の練習では同時期に加入した新外国人選手のロチャとも積極的に意思疎通しているが、用いる言語はドイツ語だ。

「パウリーニョを除けば、オレが一番ロチャと話している。お互いにやりたいプレーは言い合っているし、コンビネーションにも問題がない」(宇佐美)

 ほんの少しの歓喜と、大きな悔しさを味わったドイツでの日々を着実に自らの血と変えつつある背番号39が、今目指すのはG大阪での地位を確立することだ。

「ガンバで一時代を築きたい」

 神戸戦のヒーローインタビューでは大勢のサポーターの前で言い切ったが、翌日に行われた東アジア選手権の中国戦はテレビ観戦さえしようとしなかった。柿谷曜一朗ら同世代のアタッカーのプレーぶりから決して眼を背けているわけではない。

 宇佐美はその真意をこう語る。

「代表はもちろん目指している場所だし、入って行かないといけない場所。でも足下を見据えないといけないという意味で、ガンバで結果を残さないと代表は全く見えてこない。今はガンバのためにどれだけやれるかしか考えていない」

 ブラジルのサッカー界で良く用いられるこんな格言がある。

「O bom filho sempre a casa retorna(良い息子はいつも家に戻ってくる)」

 ガンバ愛を公言して止まない「孝行息子」はG大阪の昇格と、自身の捲土重来を期して、ピッチに立ち続ける。

【了】

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