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日本代表 11年前

いよいよ日韓戦。好調の攻撃陣がザックジャパンで生き残るためにアピールすべきポイントは?

text by 河治良幸 photo by Kenzaburo Matsuoka

競争が激しいトップ下

 加えて韓国戦で期待されるのはトップ下での出場だ。ザッケローニ監督は今回のトップ下候補として高萩、柿谷、そして山田の名前を挙げていた。通常のメンバーでは香川が左ウィングとトップ下を兼ねるが、後者では十分な働きができていない。純粋なウィングとしては代表の枠は非常に限られるが、トップ下でも豊富なアイディアを活かし、韓国を相手に強烈なインパクトを発揮できれば代表定着の可能性は開けてくる。

 ここまで2試合を通じての攻撃陣の評価、そして韓国戦での期待をまとめたが、その中心として引っ張ってほしいのはトップ下のスペシャリストである高萩だ。「探り探りだったので、その部分は徐々によくなってきた」と語る中国戦では1トップの柿谷とアイディアを活かし合いながら、バイタルエリアでチャンスを引き出したが、彼の創造力をフルに発揮すれば、もっと周囲に影響を与えられるはずだ。

「圭佑(本田)とか憲剛さん(中村)とかにはないよさはあると思うので、みんなが持ってない、代表に今までなかった色を付けくわえられれば」と高萩。トップ下は本職の本田圭佑と中村憲剛に加え、香川や清武、そして柿谷や大迫もオプションとして想定され、実はウィング以上に競争が厳しい。しかし、世界の強豪が相手になる本大会を見据えれば、最も活性化が求められるポジションでもある。

 最初から状況が厳しいことは分かりながら、与えられたチャンスを活かして代表定着を狙っているのが今回のメンバーだ。中国戦と豪州戦が全く別の布陣で臨んだこともあり、東アジアカップの集大成となる韓国戦では今一度、気持ちを引き締めて選手たちのプレーを見極めたい。

【了】

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