柿谷の1トップ起用が日本代表にもたらす大いなる可能性

東アジア杯で合計3得点をあげ、日本の優勝に貢献した柿谷曜一朗。特に韓国戦は彼のポテンシャルが発揮された試合だった。日韓戦で見えた柿谷の確かな技術とは?

2013年07月30日(Tue)11時50分配信

text by 北健一郎 photo Kazhito Yamada / Kaz Photography
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単純な足の速さではない「スピード」

柿谷の1トップ起用が日本代表にもたらす大いなる可能性
優勝カップを手に喜ぶ槙野と柿谷【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 東アジアカップのMVPには山口螢が選ばれた。だが、山口が「MVPは絶対に曜一朗だと思った」と語ったように、韓国戦では2ゴールを決めた柿谷が最も輝いていたのは間違いない。

 柿谷は日本代表に新たな可能性をもたらしたと言っていい。柿谷を1トップで起用する利点が最も良く表れたのは1点目だ。ボランチの青山敏弘が自陣の低めの位置で前を向いた瞬間、「敏くんはサンフレッチェでもああいうパスを出していたので」と素早く動き出し、韓国の最終ラインと並んだ状態から裏を取った。

 柿谷にはスピードがある。とはいえ「スピード」と言ってもただ足が速いのではない。足が速いだけだったら、永井謙佑のように柿谷以上の選手はたくさんいる。柿谷が他の選手よりも優れているのはボールをコントロールしながらでもスピードが落ちないこと。

 韓国戦ではDFラインの裏をとったが、3人に追いかけられている。しかも、目の前にはGKがいる。慎重にボールをコントロールしようとしてスピードを落として追いつかれたり、あるいは焦ってタッチが大きくなってGKに飛び出されたりする可能性もあった。

 だが、柿谷は浮き球を頭でトンと押し出すようにタッチすると、2タッチ目でボールをうまくコントロールして、DFに追いつかせることなくGKとの1対1に持ち込んでみせた。しかも、ゴールのリプレイ映像を見ているとボールを受けた瞬間にチラッと横を向いている。あの場面でオフサイドではないことを確認できる冷静さは見事というほかない。

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