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Jリーグ 11年前

内田篤人を“発掘”したアウトゥオリ。鹿島との邂逅で何を見たのか?

text by 田中滋 photo by Kenzaburo Matsuoka

「大迫は偉大な選手になる」

大迫勇也
鹿島を牽引する1人として大迫勇也があげられる【写真:松岡健三郎】

 アウトゥオリが、鹿島を率いていたときから7年の歳月が流れようとしている。彼の時代に中心だった選手の多くは、ベンチを温める状況に変わりつつある。この日は、ベンチスタートだった野沢拓也は試合後に二人で談笑、そこで「1年、どこに行っていたんだ?」と声をかけられている。アウトゥオリは、やむない事情で神戸に移籍したことまで把握していた。

 いま、鹿島は世代交代の最中にある。チームを牽引するのは大迫勇也と柴崎岳の二人。大迫はハットトリックを決め、柴崎も2つの得点に絡む活躍を見せた。

 その大迫についてコメントを求められると「相手チームの選手を評価する必要はない」と言葉を選びながらも、「鹿島アントラーズはつねに良い選手を輩出しているクラブ。大迫選手についてもクラブを代表する偉大な選手になると思う」と期待を示す。

 自身が率いるサンパウロFCも、果敢な決断を下しながら、規律を守れない選手は容赦なくメンバーから外し若返りを図っている。多くのプレッシャーにさらされるガンソを「まだ23歳」とかばいながらも「ブラジルに帰ってからも今日以上のパフォーマンスを続けられると信じている」と期待を示したように、互いのチームを重ね合わせているようだった。

【了】

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